2019年9月9日発行の新聞『被団協』431号の内容をご紹介します。

8月9日長崎平和祈念式典

74年目の夏がめぐってきました。
長崎市の原爆犠牲者追悼平和祈念式典では献花に吉村らん子さん、山崎和幸さん(二世)、流れ献花に山嵜勇さん、永田幸子さんが参加しました。
田上市長による「長崎平和宣言」では被爆者の詩を紹介し、被爆の悲惨さを語りかけました。また継承の大切さを述べ、そして日本政府に核兵器禁止条約に署名、批准するよう訴えました。
また被爆者代表の山脇佳朗氏は「平和への誓い」で自身の壮絶な被爆体験を語り、日本は平和憲法を守り続け、戦争や核兵器のない世界を実現する指導的な役割を果たせる国になってほしいと訴えました。
そのあと、別会場で行われた被爆5団体による安倍首相へ要請では、田中重光・被災協会長が直接、安倍首相に「長崎原爆資料館を訪れたことはありますか。ぜひ実際に行って見てほしいです。」と話し、日本被団協の小冊子「原爆と人間」の中の「黒焦げの少年」などの写真を示し、手渡しましたが、返事はありませんでした。
そのほか、ヒバクシャ国際署名全国交流会や原水禁世界大会、生協虹のひろばなど、さまざまな平和の集会、取り組みで、被災協「被爆体験を語り継ぐ会」会員も数多く証言しました。


くらしを支え合う会

●お困りごとはありませんか
高齢や病気などの被爆者と、お手伝いをするサポーターを結び付ける活動を行います。
利用会員は利用料として500円と交通費実費を支払い、活動は原則1時間とします。専門的な相談では弁護士や医療機関等、必要な紹介と支援を行います。
また年3回などの定期的な昼食会、花見会などを開催します。

●被災協の運動、歴史、被爆証言の継承活動
地元の大学、研究者に協力を求め、どのように進めるのか話し合いが始まっています。
10月4日、一橋大名誉教授の濱谷正晴氏と研究者で打ち合わせを予定しています。

●慰霊の活動
原爆で亡くなられた方々の慰霊のための花植
え、清掃など、下記の①と②の活動。原爆の悲
惨さ、被爆者の願いをサポーターとともに継承
していきます。

  • ①浦上川緑地帯の花壇整備活動
  • ②諫早市百日紅公園の清掃活動

●被災協の財政を支える個人、団体を募る活動
定期的な寄付など被災協の活動を財政面から
支えてもらうもので、団体訪問を行います。

●利用会員になりたい方、活動会員になりたい
方、ご連絡ください。

●10月頃から対応していきます。


国際署名県民の会・3周年のつどい

下平作江さんが語る「被爆から74年を生きて」

とき 9月28日(土)10時半~正午
ところ 被災協地下講堂(入場無料)

ヒバクシャ国際署名をすすめる長崎県民の会を結成して、まもなく3周年を迎えます。
50ヵ国の批准で発効する核兵器禁止条約は現在26ヵ国が批准しています。
一日も早く核兵器のない世界に向け、大きな声をあげていきましょう。
県民の会では3周年のつどいを開催します。
被災協理事の下平作江さんは城山国民学校5年生の時、爆心地から800mの地点で被爆。長年、「戦争も核兵器もない世界を」と国内外で訴えてきました。被爆体験、被爆者運動、平和への思いをじっくり聞きます。

ぜひご参加ください!!


「日本被団協九州ブロック相談事業講習会」熊本で一緒に学び、交流しませんか。

日本被団協、中央相談所役員がお話しします。

とき 11月16日(土)~17日(日)
ところ 三井ガーデンホテル(熊本市中央区)
費 用 宿泊、懇親会等参加費 15,000円
高速バス代  6,000円

参加希望の方は095-844-0958へお電話を。


被爆75周年記念事業

来年2020年は原爆が投下されてから75年の節目に当たります。原爆そして敗戦、私たちはこの75年をどのように生きてきたか、もう一度振り返って、私たちの思いを次の世代に残しましょう。
被災協では被爆体験や被爆者運動の記録などの証言集を、2020年8月9日に出版したいと考えています。
被爆体験の記録、被爆の絵、詩や短歌、俳句など、また被爆にまつわる遺品、被爆遺構の写真なども募集します。ご自身の写真、思い出の写真など添えてください。発行後、必ずお返しします。原稿は400字詰め原稿用紙20枚以内です。二世の方も二世としての思いをぜひ書いてください。

第1次〆切12月末、第2次〆切2月末です。


ノーモアヒバクシャ訴訟

長崎地裁でたたかっていた5名の原告のうち2名は勝訴が確定しましたが、3名の敗訴者のうち1名は他の病名で長崎地裁の裁判を続け、2名が福岡高裁へ舞台を移しました。
福岡高裁の原告は当時7歳、4キロ被爆、慢性肝炎、もう一名は当時3歳、2,5キロ被爆、皮膚ガン(ボーエン病)です。
長崎地裁の原告は当時3歳、4キロ被爆で下咽頭ガン、肺ガンで、判決を待たずに先日亡くなりました。被爆者には時間がありません。一日も早い政治的解決を望みます。長崎と全国の弁護団と被団協による全国支援ネット会議は定期的に開かれ、国への要請を続けています。


谷口稜曄さんの映画 「長崎の郵便配達」(仮題)

(監督さんよりメールが届きました。)
映画の現状は編集中です。映画の骨格が整ってまいりました。先月、東京で仮の編集97分の試写をして、配給会社によって2020年の上映に向けて動いていただく事となりました。
少しまた資金を貯めて年内を目標に本編集&録音ミックスなど仕上げを予定します。
完成をもうしばらくお待ちいただければと思います。
谷口さんやピーター・タウンゼントさんのおかげで、色々な事を少しずつ知る事ができています。大変な財産を受け取った気がしてなりません。引き続き完成まで、完成後も、どうぞよろしくお願い申し上げます。

監督 川瀬美香


「被爆者援護に関する法律」学習会

10月5日(土)13時半~被災協2階会議室
一橋大学の濱谷正晴先生から、この法律の中身、日本被団協がどのような運動をしてきたのか、そしてどう受けとめたのか、DVDを見ながら話を聞きます。ぜひご参加ください。


新事務局員紹介

佐々木泰三さんは学童保育指導員として、子どもたちと一緒に被災協の平和の取り組みに参加してきました。明るい元気な青年です。

「9月から事務局員としてお世話になる、五島出身の35歳です。
少しでも皆様のお役に立てるよう精いっぱい頑張る所存ですので、ご指導ご鞭撻の程、よろしくお願いいたします。」


8月の事務局日誌

7日(水)~9日(金) 式典、世界大会、生協虹のひろばなど
9日(金) 新聞発送
15日(木) 全国戦没者慰霊式典(田中安次郎)
不戦のつどい(田中重光)
スペイン人カメラマン取材(田中や、大越)
19日(月) 三役会議、弁護団会議(柿田)
21日(水) 国際署名事務局会議
26日(月) 国際署名街宣
28日(水) 国際署名3周年集いの打ち合わせ(下平)
29日(木) ノーモア訴訟長崎地裁

9月の予定

9日(月) 新聞発送、日本被団協・二世委員会(柿田)
10日(火)~11日(水) 日本被団協代表理事会(田中、横山)
12日(木) 医福懇(柿田)
13日(金) 三役会議
14日(土) 香焼・福岡捕虜収容所慰霊式(田中)
16日(月) ノーモア訴訟全国会議(柿田、佐々木)
フランス人カメラマン取材(森内、田中や)
18日(水) 九ブロ代表者会議(田中、横山、柿田)
19日(木) 国際署名事務局会議
22日(日) 県9条の会(横山)
24日(火) ノーモア訴訟福岡高裁(森内、佐藤、佐々木、橋本)
26日(木) 国際署名街宣・浜クロス前16時~17時
27日(金) アースキャラバン「希望の火」浦上天主堂 19時~
28日(土) 国際署名県民の会結成3周年つどい

 

長崎県民の会に寄せられた署名
9月5日現在 298,876筆
(他団体分と合わせ341,366筆)
目標は2020年秋までに50万筆です。