2023 年 1 月 9 日発行の新聞『被団協』471 号の内容をご紹介します。

初春のお慶びを申し上げます


2022年はコロナ禍の中、長崎被災協結成66周年記念のつどいを無事開催することができました。
皆様の日頃のご支援に心より感謝申し上げます。
昨年は、ロシアがウクライナに侵攻し、核兵器の使用も有り得ると世界を脅威にさらし、尊い命が奪われ続けています。私たち被爆者は、この戦争を一刻も早く終結させることを願っています。
昨年10月から、「私たちのような被爆者を再びつくらせない。国家補償の被爆者援護を」と先達たちが闘い続けた「長崎被爆者のあゆみを学ぶ学習会」に取り組んでおり、本年も実施していきます。
修学旅行生への平和学習もオンラインでの実施も加え370校を超え、多くの次の世代へ被爆者の思いを伝え続けることができました。
今年は核兵器禁止条約第2回締約国会議がニューヨークで開かれます。ウイーン宣言が世界中の市民社会の人々の声を集め実効力のあるものにするため、皆様とご一緒に力を尽くしてまいります。
また「被爆者の店」再開は、今年こそ実現するよう引き続き努力しております。
今年もよろしくお願い申し上げます。

一般財団法人長崎原爆被災者協議会

会 長  田中 重光


憲法破壊の軍備増強に反対する長崎市民集会

安保保障関連3文書(※)が12月16日に閣議決定され、長崎市浜町鉄橋で「憲法破壊の軍備増強に反対する長崎市民集会」が12月17日(土)15時から1時間行われ、被爆者4団体を含め34団体の共催で160名が参加しました。
岸田政権は防衛費として今後5年間で現在の1,5倍以上の43兆円に増額するとしています。長崎被災協の田中重光会長は外交努力で平和をと訴え、他の団体の参加者たちも軍拡より教育、福祉、医療などに税金を使うべきだと述べました。
最後に「敵基地攻撃能力の保有は憲法違反であり、強く反対する」「安全保障のあり方を根本的に転換する重要政策を閣議決定だけで決めたのは、議会と国民を無視する暴挙」とするアピール文を採択し、首相官邸や各政党へ送付しました。


※安保保障関連3文書とは…外交・安全保障の最上位の指針である「国家安全保障戦略」、防衛の目標と手段を示す「国家防衛戦略」、防衛費の総額や装備品の整備規模を定めた「防衛力整備計画」
NHK NEWSWEB 2022.12.16より


大村支部 訪問活動


(寺坂さんを訪問)

(松村さんが描かれた絵)

12月 10日(土)、大村支部の綿谷頼子支部長と大宮美喜夫事務局長が支部の4 人の被爆者を訪問しました。令和 4 年度の大村支部総会資料を皆さんにお届けし、合わせて近況を確認しました。
コロナ禍の中、ガラス越しでの対面となった方もいらっしゃいました。被爆当時の絵を見せて頂いたり、ご家族の思い出を話して頂いたりしました。

(大宮美喜夫)


恵の丘長崎原爆ホームへ慰問


12 月 20日(火)に田中会長、溝浦理事、中元事務局次長の 3 名で毎年恒例の恵の丘長崎原爆ホーム慰問を行いました。300mの高地のためまだ少し雪の残る中、利用者の方 2 名の出迎えを受け、残念ながら今年も交流の時間はとれませんでしたが、ホームの利用者の皆さんへクリスマスプレゼントのシャンプーなどをお渡しいたしました。
入居者の皆様の健康を願い、来年はぜひ交流の時間が取れますよう願っております。


第81回ナガサキ不戦の集い

12月8日(木)、太平洋戦争開戦から 81年となったこの日、17時より爆心地公園の核廃絶人類不戦の碑前で、被爆者や被爆二世、高校生など 約 20 名が参加、ナガサキ不戦の集いが行われました。参加者全員で全ての戦争犠牲者を追悼し黙とうを行った後、火を灯したろうそくを献燈しました。田中会長は、今年のロシアによるウクライナ侵攻で、戦争は尊い命を奪うものだと改めて感じ、軍事大国づくりを許さない世論を作っていこうと訴えました。被爆体験講話の講師でもある山川剛氏は、今年のキーワードは「戦争」であり、危機感をみんなが感じている。
12月8日を取り上げているメディアが少なく、8月15日に比べて極度なアンバランスになっていることなどを指摘されました。
最後に活水高校の生徒たちが「不戦の誓い」を読み上げ、閉会となりました。


ウクライナ建築家ガリーナさんと懇談

ロシアの侵攻後に東京へ避難されているウクライナの建築家ガリーナ・シェフツォーヴァさんが被爆地の復興を学ぶため長崎市を訪れ、12月9日(金)に被災協で田中会長と懇談を行いました。ガリーナさんはウクライナの研究者や学生を受け入れる東京大学のプログラムで6月に来日。歴史的建造物の保存等を研究され、日本へ何度も訪れており、日本語も堪能です。ウクライナでは、ロシア軍の撤退した地域で復興が始まっており、ガリーナさんは同じ戦争の被害から復興した被爆地長崎の調査を目的とした今回の訪問となりました。


屋久島で被爆体験講話

私の父が鹿児島県屋久島の出身でしたので、屋久島には、親戚が今も住んでいます。その縁がきっかけで、私と平和推進協会の語り部をしている兄と兄の妻と弟の4人で10月22日から27日の日程で屋久島に行き、学校の平和学習の授業で被爆体験講話を行う事になりました。公民館と中学校2校、高校1校での計4回の講話を行いました。私は4歳の時に被爆していますから、ほとんど憶えていませんので、唯一、記憶している閃光の事をお話ししました。また、戦後の食糧難、食べる物がないことの苦難の時のことなど、お話ししてきました。
生徒の皆さんは、私の話に真剣に耳を傾けて聞いてくださっていたので、話して良かったと思いました。被爆体験については、兄が体験をしっかりと記憶していますので、原爆投下の当日の様子のことを兄がお話しすると、真剣に聞き入っておられました。
帰宅後、今回、平和学習を行った各学校の校長先生が生徒の皆さん65名の感想文を送ってくださいました。生徒の皆さんの感想には、「初めて原爆を体験した方からのお話をお聴きしました。原爆の恐ろしさがとても理解できました。」「原爆使用をするような戦争を起こしてはならないと改めて深く考えるきっかけをいただけました。」等の感想を拝見できて、行って良かったと改めて思わせていただきました。

(理事・大村支部 綿谷頼子)


12 月の事務局日誌

2 日(金) 店舗プロジェクト会議
6 日(火)
~ 7 日(水)
日本被団協 代表理事会(田中、横山)
9 日(水) 新聞発送
13 日(火) 禁止条約の会事務局会議
15 日(木) 被爆者のあゆみを学ぼう 学習会実行委員会
17 日(土) 憲法破壊の軍備増強に反対する長崎市民集会
20 日(火) 恵みの丘原爆ホーム慰問(田中、溝浦、中元)
21 日(水) 市民大行進実行委員会(田中)
28 日(水) 大掃除・仕事納め

 

1 月の予定

5 日(木) 仕事始め
6 日(金) 新聞発送
13 日(金) 禁止条約の会事務局会議
14 日(土) 被爆者のあゆみを学ぼう 第3回学習会
16 日(火)
~ 17 日(水)
日本被団協 代表理事会(田中、横山)
22 日(日) 核兵器禁止条約発効2周年のつどい