2004年3月9日発行の新聞『被団協』245号の内容をご紹介します。

『被団協』245号目次
1・日本被団協が中央行動
2・NYへ代表団派遣
3・福岡高裁、不当判決


第6回口頭弁論
原爆症認定集団訴訟

3月16日・12時半までに長崎地裁へ

原爆症認定集団訴訟の第6回口頭弁論は3月16日午後1時10分から長崎地裁401号法廷で開かれます。集団訴訟を支援する会(代表委員葉山利行長崎被災協会長)では、傍聴席を埋め尽くす傍聴参加を呼びかけています。
なお、当日12時30分から傍聴券配布のための抽選が行われます。その時刻に地裁玄関にいなければ抽選に参加できません。
この日の法廷では、原爆の被害についての証拠として、被爆当時の生々しい状況とその後の後遺症害の実態を収めたビデオ「ヒロシマ・ナガサキ 核戦争のもたらすもの」を上映しようと、弁護団では準備をすすめています。
このビデオは、1982年に長崎市・広島市が制作したもので、
① 「被害の実相、その広さと深さ」
② 「原爆投下の経緯とその破壊力」
③「原爆による暮らし、つながり、生命の破壊」
④ 「原爆による傷害と後遺症」
⑤ 「被爆者の現在」
⑥ 「今日の課題」
というテーマで構成されている約40分の作品。
これが上映されると被爆の実態が明らかとなり、爆心地から2キロを超えると被害が無かったのような厚生労働省の主張は破綻します。

日本被団協が中央行動
政党・厚生労働委員などへ要請
「核武装検討」議員へは公開質問状

日本被団協は、2月26日、東京を中心とする首都圏および全国のブロック代表による中央行動を行いました。
今回は原爆症裁判に取り組んでいる弁護士の代表12名も参加、総勢110名の行動となりました。長崎からは山田事務局長が参加しました。
今回の行動は ①政党への要請 ②衆・参議院の厚生労働委員会所属の国会議員への要請 ③昨年秋の衆議院議員選挙の際に毎日新聞のアンケートで「日本も核武装を検討するべきだ」と答えた83名の議員への公開質問状を渡して真意をただす、という内容で取り組まれました。
政党関係では公明、民主、共産、社民の各党が、「現行援護に関する法律を国家補償の法律に改正してください」「いらくへの自衛隊派遣を取りやめてください」などの要請に対応しましたが、自民党は面談の場を作りませんでした。
なお今回は、外務省、厚生労働省への要請はできませんでした。

◇被爆地長崎から平和の声を◇
3月20日は長崎市公会堂前へ
国際的な統一行動に実行委結成

  昨年3月10日、アメリカ・イギリス軍によるイラク侵攻がはじまりました。
それから1年、ブッシュ大統領が口実としていた「大量破壊兵器」は発見されず、イラク侵攻とは何だったかが改めで問われています。
こうしたなかで、世界各地でこの日にイラク占領に反対する集会やデモが企画されており、東京でも3月20日午後1時から日比谷公会堂野外音楽堂で「やっぱりおかしいイラク派兵」を合言葉に大集会が予定されています。
このような動きを受けて長崎でも、世界一斉行動に呼応するための第1回実行委員会が2月18日午後6時半から長崎市の教育文化会館でひらかれ、3月20日(土)午後2時から長崎市公会堂前広場で、「終わらせようイラク派兵」「自衛隊はイラクから撤退を」の趣旨での大集会を開くことに決めました。
実行委員会には平和団体、被爆者団体、婦人団体、労働団体、市民団体、宗教界などからの代表や個人の参加があり、被爆地長崎で、かつてない規模の集会を成功させようと話し合いました。


NYへの代表団派遣など
被団協代表理事会で確認

今年4月26日からニューヨークで開かれる核不拡散条約再検討会議準備会議に、核兵器廃絶を願う被爆者の思いを反映させようと、4名の日本被団協代表を派遣することが、2月27日に開かれた代表理事会で確認されました。
また、来年の開催をめざして取り組んで来た「ノーモアヒロシマ・ナガサキ国際市民会議」は、7月29日から31日までの3日間東京で開くこと、広島、長崎などでの報告集会は別途検討すること、などが同会議実行委員会でまとまったと報告があり、代表理事会は了承しました。
このほか代表理事会議では、国家補償実現を目指す運動や集団訴訟支援運動について意見を交換、「自衛隊のイラク派兵反対」の声明を発表しました。

原爆症認定をめぐって

こんなにひどい審査の実態
一向に見えない改善のあと

原爆症認定審査のあり方については、これまで日本被団協としても長崎被災協としても厳しく指摘してきましたが、厚生労働省に改善の様子は見られません。
昨年1年間の実態を見ると、原爆症認定については785件審査し、認定はわずか176件(22%)にとどまっています。
認定申請を却下されると異議申立てが出来ますが、この場合1年間に56件審査して認められたのは2件にすぎないのです。
原爆症認定制度が出来た頃は認定率97%に達していました。それが20年後には44%に低下、今ではさらにその半分なのです。
しかも、1件の審査にかけている時間は昨年の実績で見ると、少ないときでも3分4秒、多いときでも8分弱、年間平均では4分6秒なのです。こんな時間でどうしてきちんとした審査が出来るでしょうか。
原爆症認定をきびしくするのは、原爆の被害を小さく見せるため。それは国の責任を軽くするためと、使える核兵器の開発に取り組むアメリカへの風当たりを小さくするためといわれていますが、あなたはどう思いますか?

福岡高裁、不当な判決
原告広瀬さんは上告へ

日本語教師として中国へ渡った期間、健康管理手当ての支給を打ち切ったのは違法と裁判で争い、長崎地裁では勝訴した広瀬方人さんに対し、福岡高裁は2月27日に手当支給は認めたものの平成7年7月以前の分については時効が成立するという不当裁判を行いました。
また判決は、国から委任を受けて業務を執行している県や市の責任を重視しているのも特徴的で、これからの「手帳」の発行や諸手当の認定などについての県・市の対応が注目されています。広瀬さんはこの判決に対し、上告を決意して準備をすすめています。

支部・会の動き
諫早被災協
小浜で役員研修会を開催

諫早被災協は、2月6日から7日にかけて、小浜町で役員研修会を開きました。諫早被災協では、この1年を振り返り、新しい活動の構想を考えようと、毎年開催してきました。
今年は、長崎被災協から葉山会長と山田事務局長が参加し、山田事務局長が来年の被爆60周年、再来年の長崎被災協結成50周年などの節目の年を前にして、これまでにない重要な年だと報告し、みんなで意見を交流しました。その後、ゆっくりお湯とご馳走を味わい、楽しい時を過ごしました。3月23日に理事会・評議員会長崎被災協では2月3日に小浜町で第5回理事会を開き、年度末の理事会・評議員会を3月23日に開催することを決めました。