2004年4月9日発行の新聞『被団協』246号の内容をご紹介します。

『被団協』246号目次
1・3・20集会に1500人集まる
2・裁判所、原告申請の証拠採用を保留
3・理事会・評議員会から裁判長への要請書
4・原爆症認定訴訟 原告東さん勝訴
5・小幡さん浦川さんが意見陳述撤廃
6・被爆者の思いを国連へ
7・NPT再検討会議準備委とは
8・特定療養費制度
9・2月も20%を割り込む

終わらせよう イラク占領
撤退させよう 自衛隊 
3・20集会に1500人集まる

アメリカ・イギリス軍によるイラク侵攻から1年目の3月20日、アメリカ、イギリスをふくめて世界各地で、また日本でも東京をはじめすべての都道府県で、平和を求める集会や行動がとりくまれました。被爆地長崎でも、この国際的な統一行動に呼応し、団体代表や個人による実行委員会がつくられ、「ワールド ピース ナウ3・20ナガサキ」を開催。「終わらせようイラク占領」「撤退させよう自衛隊」を合言葉に、長崎市公会堂前での大集会と湊公園までの子どもらを交えてのピースパレードがくり広げられました。
この集会への参加者は1500人に達しました。長崎被災協からも10名が緑の幟と横断幕をもって参加。事務局長は「戦争被害受忍論はいまや市民全員に向けられようとしている」と発言しました。

原爆症認定集団訴訟
裁判所、原告申請の証拠採用を保留

支援する会など改めて採用を要請

原爆症認定集団訴訟の第6回口頭弁論は、3月16日午後1時10分から開かれ、裁判所は先に原爆被害の証拠として申請していたビデオについて採否を保留しました。
このため、弁護団長の中村尚達弁護士は法廷で改めてこのビデオの証拠としての意味を述べ、採用を促しました。また、閉廷後開かれた報告集会では、裁判長あてに証拠としての採用を求める要請書を満場の拍手で採択、裁判長へ提出しました。
なお、この日の法廷では、原告森内實さんが被爆体験をもとに原爆被害の実相を述べ、却下の不当性を訴えました。

 被災協も理事会・評議員会で要請書送付

裁判所が証拠の採用を保留したことについて、3月23日に開いた長崎被災協理事会・評議員会でも「このような証拠を被告である国が嫌うのは真実が暴かれることへの恐れによるもの」として、裁判所は毅然とした態度で採用するよう求める要請書を採択し、送付しました。


理事会・評議員会から裁判長への要請書


 裁判所が証拠の採用を保留したことについて、3月23日に開いた長崎被災協理事会・評議員会でも「このような証拠を被告である国が嫌うのは真実が暴かれることへの恐れによるもの」として、裁判所は毅然とした態度で採用するよう求める要請書を採択し、送付しました。

長崎地方裁判所 民事部
裁判長 田 川 直 之 様
証拠採用についての要請書
私たちは、1956年に結成した長崎の被爆者団体です。当然のことながら私たちは、現在貴法廷で審理されております国を被告とする原爆症認定申請却下処分取り消し請求訴訟を大きな関心を持って見守ってまいりました。ところが、本日開催いたしました理事会・評議員会の席で、原告側が原爆被害の証拠として申請しましたビデオ『ヒロシマ ナガサキ 核戦争のもたらすもの』の採用が留保されたと聞き、驚いています。
このビデオは広島市、長崎市が企画したもので、特に被爆後もなお続き、被爆者を苦しめる人体への原爆の被害について、主治医へのインタビューをふくめて具体的に取り上げており、原告らがおかれてきた状況を知る上で重要な証拠であると思っています。原爆の被害は、決して被告らが主張するように、特定の範囲にとどまるものではなく、また初期放射線の影響だけではないのです。
このようなビデオが証拠として採用されることを被告が嫌がったとしても、それは真実を暴かれることへの恐れによるものであって、きわめて不当なことなのです。貴裁判所としては、毅然としてこのような被告の不当な要求を退け、このビデオを証拠として採用されますよう、理事会・評議員会の決議として、ここに要請申し上げる次第です。
何とぞよろしくお願い申し上げます。2004(平成16)年3月23日
(財)長崎原爆被災者協議会
2003年度第6回理事会
第44回 評 議 員 会

原爆症認定訴訟 原告東さん勝訴
3月31日 東京地裁が判決-

東京で原爆症認定訴訟をたたかってきた長崎の被爆者東数男さんへ、3月31日、東京地裁は東さん勝訴の判決を行いました。判決の法廷に長崎からは松谷英子さんと柿田富美枝長崎被災協事務局次長が参加しました。
勝訴の判決を受け「原爆裁判の勝利をめざす東京の会」は、早速、厚生労働省に対し「控訴するな」のとりくみを開始しました。

古賀さんら3名新たに提訴

長崎での集団訴訟の原告に長崎市在住の古賀好行さん、同柿本烈子さん、同中村光江さんの3名が加わり、3月5日に長崎地裁へ訴状を提出しました。これで、長崎の原告は26名となりました。

被爆者の思いを国連へ
谷口副会長が渡米

日本被団協は4月26日から国連本部でひらかれるNPT再検討会議準備会へむけて4名の代表団の派遣を決定。長崎被災協からは谷口稜曄副会長が参加することになりました。長崎からは伊藤長崎市長や高校生代表も渡米します。
谷口稜曄副会長以外の日本被団協の代表団メンバーは、日本被団協小西悟事務局次長と東友会山田玲子事務局次長、同平田道正常任理事の3名。

4月から国連でひらかれる
NPT再検討会議準備委とは

日本被団協も代表団を派遣するNPT再検討会議とは、一体、どういう会議でしょうか。NPTとは、核兵器を持つ国を増やさないようにするための条約「核不拡散条約」のことです。この条約は、1968(昭和43)年7月につくられ、1970(昭和45)年に発効しました。日本も、1976(昭和51)年に批准しています。
この条約は、アメリカ、ロシア、イギリス、フランス、中国の5カ国を核兵器国とし、それ以外の国への核兵器の拡散を防ぐとともに(1条、2条)、条約締結国に誠実に核軍縮交渉を行うよう義務づけ(6条)ています。
この条約は、1995年に無期限に延長され、5年ごとに再検討会議がひらかれることになりました。そして2000年の再検討会議では加盟国の全部で「核兵器廃絶についての明確な約束」がなされました。それにもかかわらずアメリカのブッシュ大統領は新しい核兵器の開発さえ公言しています。ことしは来年の再検討会議を前に、準備委員会が開かれます。核兵器廃絶への道を切り開くことができるかどうかの大事な会議です。「被爆国」日本の役割は重大です。だから被爆地の市長も日本被団協代表も現地へ入るのです。

被爆者にも負担を強いる
特定療養費制度
 

入院すれば100万円――という保険会社のコマーシャルが目につきます。被爆者も、「手帳」さえあれば大丈夫、ともいえません。健康保険外費用として請求される「特定療養費」に気をつけましょう。

180日以上の入院

同じ病気やケガで入院した場合、入院期間が180日をこえると「特定療養費」の対象となって健康保険から病院への支払いが減額され、その分は自己負担をしなければならなくなる制度が、2002年(平成14年)4月から実施されています。
この制度は、2年間は経過措置がとられてきましたが、今年度(平成16年度)からは完全実施となります。
なお、180日という入院期間は、同じ病気やケガの場合、病院を変わっても通算されます。

負担は1日約2000円

180日を超えて入院した場合の健康保険からの支払いの減額は入院基本料の15%で、1日当たり約2000円が自己負担となります。これは健康保険の枠外となりますので、被爆者も支払わなければなりません。
なお、すべての病気がこの制度の対象となるのではなく、結核、精神疾患、難病など対象外の病気もありますので病院とご相談ください。

初診時にも・・・

病床が200以上の大病院では、初診時に一定の金額を請求されることがあります。これも特定療養費なので、被爆者にも請求されます。
この場合も、前の病院・診療所から紹介状をもらってきている場合や救急車で搬送された場合などは対象外なので請求されることはありません。

差額ベッドとは

一般に「差額ベッド」と呼ばれているのも、特定療養費の対象となっている「特定療養環境室」のことです。患者の同意をえて使うことになっており、そのときは被爆者も料金を支払います。
ただし重症の患者の治療上の必要などで、病院が「個室」を使う場合などは、病院は特別の料金をとってはいけないことになっています

2月も20%を割り込む
低迷する原爆症認定審査

 2月の厚生労働省の原爆症認定審査会は、16日午前11時から午後5時まで、17名の委員のうち13名が出席して厚生労働省の会議室でひらかれ、原爆症認定についての審査と異議申立てについての審査を行いました。
認定審査では、この日厚生労働省が提出した申請は89件。うち71件を審査し、18件は審議未了となって次回へくりこされました。
審査した71件中認定されたのはわずか14件でしたので認定率は19、7%。相変わらず低迷しています。疾病別の認定状況は、ガンが34件中認定は7、造血機能障害が6件中2、甲状腺機能障害が7件中4、視機能障害が8件中1、肝機能障害は7件、その他の疾病は9件ありましたが、いずれも認定は0でした。
異議申立てについては6件を審査したにすぎず、うち異議が認められたのは1件でした。

 3月のうごき

1日 集団訴訟弁護団会議
3日 ララコープ集団訴訟で学習会
4日 憲法集会実行委員会準備会
5日 集団訴訟第5次提訴
10日 集団訴訟を支援する会・運営委員会
11日 いきいきコープ理事会
〃  憲法集会実行委員会準備会
〃  3・20集会実行委員会
16日 集団訴訟第6回口頭弁論
18日 平和推進協会評議員会
〃  被爆体験を語り継ぐ会
20日 イラク派兵反対集会
〃  集団訴訟弁護団学習会
21日 日本の核軍縮評価会議
23日 理事会・評議員会
24日 九州ブロック代表者会議
25日 巡回相談会(愛野)
26日 原爆資料館運営協議会
30日 矢の平支部役員会