2009年6月9日発行の新聞『被団協』308号の内容をご紹介します。

原爆症認定集団訴訟、東京高裁で判決
 未認定の10名中9名を認定 
いよいよ政治的決断で全面一括解決へ

東京高等裁判所は、5月28日午前10時、原爆症認定集訴訟の原告(東京地裁控訴審第1次原告)30名に対し、1名を除き29名の申請疾病を原爆症と認める判決を言い渡しました。

閉廷と同時にやったぞ! という声が弁護団から上がり、 法廷は拍手に包まれました。
30名の原告のうち20名は、すでに「新しい審査の方針」によって認定されていましたので、裁判上は訴えを認めないまま認定となり、第1審の東京地裁で勝訴したものの厚生労働省も認定しなかった7名と、第1審で敗訴し、厚生労働省も認定しなかった3名のうち2名を、東京高裁は原爆症と認めたのです。
これで、今回の東京高裁の裁判では、原告30名のうち、29名が勝利したことになります。敗訴した1名は、胃ガンを患っていましたが、被爆状況が8月18日入市いうことで放射線の影響が認められませんでした。
判決当日は、このあと弁護士会館で記者会見がおこなわれ、午後1時半からは、衆議院第二議員会館で報告集会がひらかれました。さらに、午後3時から5時まで、議員会館裏手の星陵会館で、集団訴訟の一括全面解決をめざす全国集会がひらかれ、定員400の会場には、参加者の熱気があふれました。

高裁判決前後の行動に参加
支援する会・長崎から10名上京

 東京高裁判決 前後の中央での行動に参加する
ため、「支援する会」からも代表10名が、10月27 日午前の便で上京しました。
27日は、宿舎に落ち着く暇もなく、日比谷公園へ直行、厚生労働省前の座り込みに参加、 一人ひとり所属と氏名、決意を述べ、大きな拍手を受けました。
翌28日は、午前9時からの弁護士会館での集会に参加、法廷へ向かい、5名が法廷に入って判決を傍聴、判決後は弁護士会館での記者会見、国会の議員会館での院内集会、星陵会館での全国集会に参加し、さらに民主党・山田議員、 高木議員を議員会館に訪問、全面解決へ向けての支援を要請しました。
最後の29日は降りしきる雨の中、厚生労働省前での集会に参加、昼過ぎ羽 田へ向かい、午後6時半長崎空港へ帰着したのでした。
この行動に参加したのは、 次の10名でした(敬称略)。
川野 浩一(原水禁)
坂本 浩 (原水禁)
川副 忠子(被爆連)
大塚 孝裕(原水協)
佐久間 洋子(原水協)
柴田 勇輝(非核の 政府をつくる会)
岡 宏子 (ララコープ)
窪 和世(被災協)
山田拓民(被災協)
柿田 富美枝(被災協)


 ~◇基本要求つくって25年◇~
 いきいきとした活動を 
  被災協定例評議員会・理事会ひらく

選出された役員 顧 問

顧 問   山口 仙二
会 長   谷口 稜曄
副会長  前道 光義
〃   坂本 フミエ
常務理事 山田 拓民
理 事  井川 清澄
〃    内田 保信
〃    池田 早苗
〃    下平 作江
〃    田中 重光
〃    長濱 光芳
〃    広瀬 方人
〃    横山 照子
監 事  橋川 秀夫
〃   谷  恵美子
(敬称略)

  長崎被災協第55回定例評議員会と今年度第2回理事会の合同会議は、評議員22名中17名(うち2名は委任状提出)の出席、理事は15名中12名の出席で、5月30日午後2 時から長崎市岡町の長崎被災協講堂で開催しました。
そのなかで昨年の活動と財政の締めくくりを行うとともに、09年度の活動計画と予算を確定し、09年度~10年度の役員(理事・監事)を選出し、「核兵器なくせ、原爆被害への国の償いを」の決意を込 めた決議文と、北朝鮮の核実験への抗議の決議文を採択し、午後5時15分閉会しました。

今年度の主な方針
この日決まった今年度の活動方針の骨子は、つぎの通り。
①被爆体験をもとに、核兵器の廃絶をめざす。
②非核三原則の法制化とともに、北東アジアの非核化、米国の核の傘からの離脱をめざす。
③憲法改悪に反対し「ノーモアヒバクシヤ九条の会」の活動をひろめる。
④原爆症認定集団訴訟の一括解決をめざす。
⑤「基本要求」作成25周年にあたり、基本要求の実現をめざす。
⑥被爆の実相普及にとりくむ。
⑦年をとっても億劫がらずに外へ出よう。
⑧新しい法人制度を視野に入れ、体制強化につとめる。

 

 

<評議員会で採択された決議文>

決   議   文


アメリカのオバマ大統領は、チェコの首都プラハでの演説の中で、「アメリカは、原体を使用したただ一つの核兵器保有国として(核兵器廃絶へ向かって)行動する道義的責任がある」と述べ、この演説に井同した17名のノーベル平和賞受賞者は、「核兵器のない世界を実現し、人類により大きな平和が訪れるように、私たちは結束して、この構想を現実のものとしなければなりません」と宣言したのでした。

このように、これまで私たちが世界へ向かって訴え続けてきた 「核兵器のない世界」への大きな、力強い動きが始まろうとしています。
ここに引用したノーベル平和賞受賞者たちの「宣言」は、「人類がヒロシマ・ナガサキのあと核兵器の惨禍を避けることができたのは、単なる偶然ではなく、世界へ核兵器廃絶を訴え掛けてきた被爆者たちの強い決意があったからだ」と述べ、被爆者のとりくみを高く評価しています。
こうして「核兵器のない世界」は、いま現実のものとなろうとしているのです。
とはいえ、その道は決して平坦なものではないでしょう。世界は、まだまだ私たちを必要としているのです。

ことしは、私たちが「原爆被爆者の基本要求」をつくって25年目の年です。
ふたたび被爆者をつくるな、という私たちの願いを、 日本中に、世界中に広めようではありませんか。
それほまた、「政府の行為によって、再び戦争の惨禍が起こることのないようにする」という日本国憲法に込められた決意でもあるのです。
高齢となり、病臥こもなった私たちですが、きょうを新たな出発点として、改めて「核兵器なくせ、原爆被害への国の償いを!」の運動を推進することをここに決意します。

2009年5月30日

長崎原爆被災者協議会 集55回定例評議会

 


>核兵器の廃絶めざし、力強い新たな流れ

◇オバマ大統領のプラハ演説◇

「核保有国として━核兵器を使用したことのある唯一の核兵器保有国として、米国は行動する責任がある。我々は、この試みに単独で成功することはできないが、それ導き、始めることができる。それゆえ今日、私は、核のない平和で安全な世界を米国が追求していくことを明確に宣言する。
私は世間知らずではない。この目標はすぐに到達できるものではない━おそらく私が生きているうちに は無理だろう。辛抱強さと粘 り強さが求められる。しかし今、我々、世界は変えられないという人たちの声にも耳を貸してはならない。我々は強く主張しなければならない、「イエス・ウイ・キャン(われわれはできる)と」「地球規模での核実験禁止を達成するために、私の政権は早急勝積極的に米国の包括的核実験禁止条約の批准を追求する。核兵器の実験がついに禁止される時がきたのだ。」

◇ノーベル平和賞受賞者の「宣言」◇

「私たちノーベル平和賞受賞者は、オバマ米大統領の呼びかけに賛同し、全人類の利益のために、全ての国の指導者が固い決意をもってこの目標を追求することを訴えます。」
「人類がこれまで三度目の核兵器による悪夢を避けることができたのは、単なる歴史の幸運な気まぐれだけではありません。第二のヒロシマやナガサキを回避するために世界へ呼び掛け続けてきた被爆者たちの強い決意が、大事を防止することに確かに役立ってきたのです。」
「核兵器廃絶は可能です。いや、それ以上に、核兵器廃絶は、全人類にとってより安全な地球を築くために必要不 可欠のものです。ノーベル平和賞受賞者としての私たちは、世界中の人々に、自国の指導者へ強く働きかけることを呼びかけます。…私たちは結束して、この構想を現実のものとしなければなりません。」


◇投票日は8月9日?◇

「冗談じゃない」と被爆者が反発 阻止を訴え県・市へも要請

 総選挙の日程については、いまなお憶測が飛びかっていますが、その中で「8月9日 投開票」説も報道されています。しかも、「8月9日では慰霊祭行事と投票・開票作業や管理に長崎市役所は困るかもしれないが…」 という声もささやかれているようです。

8 月9日は、世界の日であって、長崎市民だけの日ではないのです。
これを知った長崎被災協、長崎原爆遺族会、長崎県被爆者手帳友の会、長崎県被爆者手帳友愛会、長崎県平和運動センター被爆連の被爆者5団体は、「8月9日は犠牲者の追悼と核兵器廃絶への思いを新たにする日」であって、この日に選挙を入れるなどもってのほか、と共同で抗議の意思をこめた要請の文書を政府へ送りました。
さらにこのこと について、5月25日に記者会見をして被爆者の思いを明らかにしたほか、6月1日・2日には長崎県知事、県議会議長、長崎市長、市議会議長へも、「8月9日投・開票日」には絶対反対と、その阻止を要請しました。


県下の平和市長会議加盟率は87%

 今年の8月には、国際的な平和運動機関・「平和市長会 議」の総会が長崎市でひらかれます。各国の加盟自治体の代表を迎える長崎県下の自治体の平和市長会議への加盟は市長については13市中12市、町長については10町中8町 と、ずいぶん前進しましたが、次の市と町が未加盟です。 【市】佐世保市【町】江迎町、鹿町町


長崎被災協5月の動き

3日・憲法記念日 長崎市水辺の森公園で「憲法フェスタ」

4日・県九条の会が「憲法さるく」

8日・諌早被災協が総会(山田)

9日・県原水協総会で原爆症問題を報告(山田)

11日・新聞『被団協』発送作業

13日・日本被団協代表理事会(山田)→14日まで

15日・会計監査

19日・第1回理事会

21日・医療と福祉を考える懇談会主催の講演会に出席

22日・新聞労連学習会で被爆者問題について報告(山田)

23日・第55回評議員会資料作成(山田)

〃  ・集団訴訟を支援する会の街頭宣伝

27日・集団訴訟を支援する会で中央行動(山田、柿田)→29日まで

30日・第55回評議員会、第2回理事会