2009年10月9日発行の新聞『被団協』312号の内容をご紹介します。

◇成功させよう九ブロ講習会 ◇
 充実した秋のとりくみへ 
第4回(拡大)理事会ひらく

 9月25日午後2時から、長崎被災協は、今年度第4回目の(拡大)理事会をひらき、この秋から年末に向けての課題に長崎被災協はどう凝り組むかについて協議し、活動の方針を決めました。

 

 長崎地裁での完全勝利をめざす
8月6日の総理との確認で、原爆症認定集団訴訟では、政府は地裁で被爆者が勝訴したら認定することになったため、現在長崎地裁で審理中の裁判でも全員が勝訴するように、これまで以上に裁判長宛の署名運動や市民へ直接訴える街頭宣伝行動を展開することになりました。
なお長崎地 裁の裁判は11月に審理を終え、判決は来年春の予定。

国家補償の被爆者援護法へ
今の法律ができて15年。問 題点もいろいろ浮かび上がってきました。日本被団協でも、新しい法律をめざしてとりくみ始めたところです。
長崎でも、このことを考える機会をつくることになりました。

九ブロ講習会を成功させよう
8年ぶりに長崎市でひらかれる九州ブロックの相談事業講習会。各県からの参加者となるよう長崎被災協としても理事・評議員を中心に役割を分担し、とりくみます。

NPT再検討会議の 成功をめざして
国連でも、「核兵器のない世界」を目指す機運が高まってきました。こうした中でひらかれる来年のNPT再検討会議を成功させるための被爆者の派遣などにも積極的にとりくむことにしました。

みんなで知ろう 「確認書」の内容

「裁判に直接かかわってきた人にも、そうでない人にも、確認書の内容はすべての被爆者に関係を持つものです。みんなでその内容に目を通し、その意味を考えましょう。
それぞれの支部や会で、このことについて話し合いをするときには、ぜひ私たちも参加させて下さい」と山田事務局長 は、呼びかけています。

 8年ぶりの長崎開催 
九州ブロック相談事業講習会 大浦・ホテルロワジールを会場に

ことしの九州ブロック相談 事業講習会は、11月27日(金)午後2時から翌28日(土)正午までの2日間、長崎市大浦海岸通りのホテル・ロワジール(石橋行きの電車で 「大浦海岸通り」で下車するとすぐ目の前)で開催され、九州各県から被爆者が集まります。

第1日目の27日には、開会行事のあと、
①「被爆者の基本要求をめぐって九州大学大学院准教授直野章子さん
②原爆症認定にかかわって中央相談所の伊藤直子さん
③当面の被爆者運動について日本被団協事務局長田中照巳さんが
それぞれ講演、この講演をもとに、翌28日には分科会で討議します。
27日には夕刻から懇親会が開かれ、各県が自慢の「だしもの」を競います。
翌28日は①「相談活動」について、②「被爆者の医療・健康問題」について、③「これからの被爆者運動」についての3つの分科会に分かれ、意見を交流します。
なお分科会のうち②については、長崎原爆病院院長朝長方左男先生に「気をつけなければならな い被爆者の健康問題」についてお話しを頂いたあと質疑・討論を行います。28日の閉会後、三菱造船所見学、被爆遺構めぐりも計画されています。

 


 ◎まず地裁での完全勝利を◎
原爆症認定訴訟終結へ
  国家補償への道も視野に

 原爆症認定集団訴訟を支援する会・長崎は、8月6日に麻生前総理と日本被団協との間でかわされた集団訴訟の終結をめざす確認書にいたる経過と確認書の内容・意義ついての報告集会を9月26日午後2時から4時まで、長崎被災協の講簸で開催しました。

支援する会の代表委員の一人、長崎被災協の谷口稜嘩会長の開会のあいさつのあと、長崎の裁判での弁護団長中村尚達弁護士が、確認書にいたるまでいくつもの山場を越えて、ようやくまとまった経過と、きわめて不明確な表現の部分も持つ確認書の内容について報告し、質疑が交わされま した。このあと、これからの運動について山田事務局長は、一審判決が最終判決となるので、来春に判決が予定されている長崎地裁での第2次訴訟の完全勝利をめざすとともに、いつまでも現行法にとどまるのではなく、国家補償の被爆者援護法制定を視野にとりくもうと呼びかけました。

 


 
放影研の新事業に疑問投げかけた5団体
  テロ対策に被爆者の資料(?)

 被爆者5団体は、放射線影響研究所(放影研)の新しい事業に反対しました。なぜでしょうか。
その新しい事業とは、アメ リカの「アレルギー感染症研究所(NIAID)」から助成金(毎年2億円5年間)をもらって、核兵器の被爆と免疫機能の関連を調べようというもの。その研究には放影研がもっている統計や被爆者から得た標本など豊富な資料が使われます。
これが被爆者の苦しみの解明と改善に役立つというのなら、反対することはないでしょう。ところが、助成主のNIAIDという機関は、テロによる核攻撃にどう対処するかということについて、アメリカで屈指の機関だということになると、放置できません。
それも被爆者から得た標本(血液や骨や肉など)を使ってのテロ対策となるととんでもない話です。  放影研は、テロ対策を否定しています。しかし、その疑いがある以上、そのような機関の下請けとなってはいけない、というのが被爆者5団体の考えなのです。(山田拓民)
 



ノーモア ヒバクシャ 9条の会
長崎で初めての「つどい」

 「ノーモア ヒバクシヤ9条の会」というのをご存知でしょうか。あゝ被爆者がつくっている9条の会かと早合点しないで下さい。二度と被爆者をつくってはならない、そのためには憲法9条を変えてはいけない、戦争のできる国にしてはならない、という思いからできた「9条の会」 なのです。
だから、被爆者はその先頭に立ちますが、核戦争の被害者にも加害者にもなってはいけないと思う人は誰でも参加できる運動なのです。
事実、この会の15人の呼びかけ人の中には、被爆者はもちろんですが、弁護士さんもお医者さんも、また若い研究者の方もいます(長崎からは山口仙二さんと横山照子さんが呼びかけ人です)。

この「ノーモア ヒバクシヤ9条の会」が、長崎ではじめての「つどい」をひらきます。この機会に憲法9条について語り合おうという方は、どなたでも参加できます。ご参加をお待ちしています(参加費不要)。

 

日時:11月14日(土)13:30~17:00。
場所:長崎市岡町 長崎被災協・会議室

なお、15日も午前中に、この場所で交流会をひらきます。


= 読 書 案 内 =


 「ヒロシマ・ナガサキ議定書」の内容を身につけるために

 表紙に筆太くYESとかかれた、ちょっと風変わりなこの本は、実は「ヒロシマ一ナガサキ議定書」をわかりやすく表現したもの。豊富な、そして奇抜な挿絵(?)と軽妙な 文章で、平和市長会議が来年 のNPT再検討会議での採択を求めている「ヒロシマ・ナガサキ議定書」の真髄を的確に示してくれます。「ヒロシマ・ナガサキ議定書」の訳文は、「被団協(長崎版)」8月号に掲載したのでしたが、文字は小さく、訳文は硬く、2020年には核兵器をなくすという核兵器廃絶への具体的な道筋を示す重要な文書なのですが、読み通すのはむつかしいものでした。
そんな時、この 本にめぐり合い、ほっとした 次第です。そして、多くの人に読んでほしいと思いました。 価格も1冊500円とお手ごろ。「あなたもこの議定書を理解し、推進者になっていただきたいのです。」と著者は書いています。ぜひ、ご一読をお勧めします。

 (山田拓民)



長崎被災協9月の動き

7日・九州ブロック代表者会読(谷口、山田、横山、姉川)

10日・新聞『被団協』発送作業
〃 ・プルサーマルについての学習集会(主催 被爆者団体)

11日・放射線影響研究所の新規事業について披畑者5団体で申し入れ(山田)
〃・放射線膨響研兜所地元連絡協議会(谷口)

14日・被曝体験者訴訟第13回口頭弁論(林田)

15日・ノーモアヒバクシヤ9粂の会打ち合わせ(山田)

16日・日本被団協代表理事会(山田)→17日まで

18日・プルサーマルの件で九州電力長崎支店へ被爆者5団体として申し入れ(山田)

25日・市民大行進部会(谷口)
〃・プルサーマルの件で県へ被 爆者5団休として申し入れ(山田)
〃 ・第4回(拡大) 理事会

26日・原爆症認定集団訴訟を支援する会が、同訴訟の終結を目指す政府との確認
についての報告集会

30日・原爆資料館理事会(谷口)