2011年3月9日発行の新聞『被団協』329号の内容をご紹介します。

 核兵器廃絶へ大きなうねりを 
新たな署名活動はじまる
被災協、3月の理事会で具体化へ

 昨年、谷口稜曄会長を先頭に、長崎被災協・理事の池田早苗さん、青年乙女の会事務局長の小峰秀孝さんの3名の長崎被災協の代表も渡米して見守ったNPT(核不拡散条約)再検討会議は、核兵器をなくすための具体的計画を打ち立てることはできませんでしたが、それでもNPT参加の国々は、討論の末、核兵器のない世界の平和と安全を達成することを目標とする《最終文書》に合意し、核兵器のない世界を目指す決意を明らかにしました。

しかし、だまっていて核兵器のない世界が実現できるようなものではないことも明らかとなりました。
核兵器を手放そうとしない国々に、核兵器を地球上から一掃する私たちの決意を示すためにはどうしたらいいのか、原水爆禁止日本協議会(日本原水協)が、「核兵器全面禁止のアピール」を発表しました。
このアピールは、今なお20万を超える被爆者が苦しんでいる事実を明らかにし、「私たちはすべての国に政府に、すみやかに核兵器禁止条約交渉を開始するように求めます」と結んでおり、日本はもとより世界中に呼びかけ、この趣旨に賛同する署名を集めようというものです。
広島・長崎市長をはじめ、この呼びかけに賛同する11人の顔写真入のポスターも送られてきました。谷口稜曄会長の写真も、このポスターに掲載されています。
核兵器の廃絶と原爆被害への国家補償を求める長崎被災協としても、3月の理事会でこの署名へのとりくみを検討し、具体的な行動にとりかかる予定です。

 


 理不尽な審査で過酷な却下処分
▼原爆症認定審査▼

 原爆症認定審査は、申請した被爆者を振るい落とすためのものではないか、という被爆者からの怒りの声を封じようというのか、厚生労働省が昨年夏に発表したのが下の表です。

新しい審査の方針をつくってからの合計は、認定数が却下数を上回っていると強調したいのでしょうか。
たしかに平成20年度の認定は却下を大幅に上回っています。しかし22年度には逆転したのでした。

ひとまず「保留」まとめて「却下」

上の表を見て下さい。 字が小さくて読みにくいでしょうが、去年4月から今年2月までの(部会)での認定審査の結果を示すものです。

なお、いまの審査のあり方は、まず病気の種類によって4つの部会と呼ばれるグループで審査をしますが、ここでは「却下」は出さずに「保留」にしておいて、4つの部会に当てはまらない病気と部会で「保留」 とされたものについて、毎月1回、審査委員全員が参加する被爆者医療分科会で審査されます。その結果が下の表です。



l分以下の事査で容赦ない「却下」

この分科会での審査で奇妙なことがもう一つあります。それは審査に要する時間なのです。普通審査は午前10時に始まって午後5時に終わります。昼食休憩を1時間とすると6時間(360分)の作業です。360件の申請を1日で審査したとすると、1件当たりの所要時間は1分ということになります。
上の表を見て下さい。審査数が360を超えないのは2回しかありません。(そのうちのl回は午前11時開会、もう1回は午後1時開会)。つまり、すべての審査は、1件1分以内で、判断が下されているのです。
こんな審査を放置しておいていいはずはありません 。



◇ 九州ブロック代表者会議 

国家補償の被爆者援護法など当面する諸課題について協議

日本被団協九州ブロック(福岡・佐賀・長崎・熊本・大分・宮崎・鹿児島・沖縄8県で構成)は、2月24日午後1時半から福岡市中央区六本松の社会福祉センターで会議を開き、昨年11月佐賀・嬉野市で開催した九州ブロック相談事業講習会についての反省のあと、いまの被爆者をめぐる情勢について、代表理事の山田事務局長が、いまの「被爆者の援護に関する法律」を国家補償の「被爆者援護法」に変えようという運動をめぐっての日本被団協の代表理事会の動きや新しい法律の内容についての日本被団協の法改正検討委員会での協議の経過について報告、若干の意見を交流しました。
山田事務局長は、このことに関わって、厚生労働省が行ってきた原爆症認定審査の実態について、厚生労働省の資料を使って報告、このままでは原爆症認定訴訟の成果が活かされないと指摘、熊本からは改めて新しい裁判にとりくむ決意が披歴されました。


 3月30日に理事会・評議員会を開催 

4月、5月の長崎被災協の取組みとこの期間の暫定予算などを決める年度末の理事会と評議員会は、3月30日午後2時から被災協地下講堂で開催されます。


▽新刊紹介▽
 原爆披爆者三世代の証言 
 


 
『原爆披爆者三世代の証言』という表題の本が出版されました。「被爆者の証言集」なら長崎被災協でも出版してきましたし、珍しいものではありませんが(といっても、まだまだ多くの被爆者に語り、かいて欲しいのですが)、三世代、つまり被爆者とその子、その孫の証言を集めるとなると並大抵のことではありません。
この本を書いた澤田愛子さんによると、ヨーロッパでの第二次大戦中の大虐殺を調べるときに、その事件が人間にどのような影響を与えたかを知ろうとすれば、三世代について調べるのが常識だというのです。つまり、被害を受けた本人が受けた物・心両面の傷とその子が受けた傷、さらに被害者の孫が受けた傷を洗い出すことが必要だというのです。
この本には、3家族の3世代の証言がおさめてありますが、その中に、披災協の理事であり昨年8月9日の平和祈念式典で「平和宣言」を述べた内田保信さんとその奥さん、そしてお子さん、お孫さんの証言が紹介されています。
原爆被害とは何かを考える上での貴重な労作です。  被災協の事務局の書棚に置いておきますので、閲覧ご希望の方は山田までお申し出ください。(山田)



長崎被災協2月の動き

2日 公益法人の件で県と相談 (山田・柿田)
5日 被爆2世の会全国交流集会 (柿田)
県9条会呼びかけ人会議 (山田)
7日 新聞『被団協』発送作業
長崎市原対部と被爆者団体の懇談会(谷口・山田)
9日 日本被団協代表理事会(谷口・山田)→10日まで
11日 諌早被災協研修会 (山田)
21日 県による監査
平和推進協会事業推進委員会 (谷口)
24日 福岡で九州ブロック各県代表者会議 (谷口・山田・柿田)
26日 集団訴訟全国弁連・支援ネット合同会議 (柿田・森内)
27日 日本被団協藤平代表委員葬儀 (柿田・森内)