2014年12月9日発行の新聞『被団協』374号の内容をご紹介します。

◇14日は、衆議院議員選挙投票日◇

お互いに、悔いを残さない選挙にしよう
選挙を通じて私たちの願いの実現を!

いよいよ衆議院選挙の幕は切って落とされました。
今月14日は、投票日。選挙は、私たち有権者が試される時です。お互いに、耳当りの良い「公約」に惑わされないよう注意しながら、立候補者の、あるいはその候補者が所属する政党の、これまでの言動に注意し、候補者の《体質》を見抜きましょう。いまの日本には、残念ながら、日本を戦争のできる国にしたがっている人たちがいます。こういう人たちを国会へ送り込んだら大変です。友人・知人でよく話し合い、悔いを残さない選挙になるよう頑張りましょう。1人ぐらいは、真剣に目本の政治を考えているはずです。「市民がこうむった戦争の被害は、国が償え」という私たちの思いに「その通りだ」と答える候補者がいるはずです。
早々に諦めて棄権していると、とんでもない国会が誕生してみます。
貴重な一人を探し出し、国会が日本国憲法に基づいたすばらしい国会となるよう、被爆者は被爆者らしい力を発揮しようではありませんか。12月14目の投票日は、もう目前なのです。


長崎からも3名の代表を派遣
来年4月のNPT再検討会議

第9回核兵器不拡散条約(NPT)再検討会議が来年年2015年 4月末に始まるのを受けて、日本被団協は代表団を送ることを決め、その準備を進めてきましたが、長崎被災協としても、この会議の意義とその間の現地での活動の大切さを考え、11月26日の第3回拡大理事会に、会長・谷口稜嘩さん、理事・田中重光さん、事務局次長・柿田富美枝さんの三名を長崎被災協の代表として派遣することを提案、承認を受けました。なお一人当たり40万円の派遣費用については、募金でまかなうことも決定、早速募金運動をはじめることになりました。
長崎被災協事務局では、本紙読者の皆さん方の積極的なご協力を期待しています。

核不拡散条約とは…
一般に「核不拡散条約」と呼ばれている条約の正式名称は、「核兵器の不拡散に関する条約」といい、1970年に発足した条約で、核兵器禁止ではなく、核兵器保有国の増加(つまり核兵器の拡散)を防ぐことを目的とする条約なのです。
この条約では、アメリカ、ソ連(ロシア)、イギリス、フランス、中国の5力国を核兵器保有国とし、その他の国を非核兵器保有国としていたのですが、インド、パキスタン、イスラエルは参加を拒んでおり、北朝鮮は加盟していたのですが、その後、脱退したと主張しているそうです。

◇NPT再検討会議◇
核不拡散条約の運用状況を点検する目的で、1995年から5年ごとにニューヨークの国連本部で開催されている会議で、日本被団協としても被爆者の願いを会議に反映させようと、国連本部で原爆展を開催したり、かなりの人数の代表を派遣してきました。
来年も、この会議を成功させようと、50名を下らない代表団をニューョークヘ送り込もうと準備を進めているところです。


NPT再検討会議派遣の募金運動へのご協力を

上の記事にありますように来春、3名をアメリカヘ派遣すると、一人あたり40万円合計120万円の旅費・滞在費が必要なのです。
今回の会議は記事にもありますように5年ごとに開かれているとても大事な会議なのです。そして被爆地から核兵器の被害を体験した被爆者が参加することは、会議そのものを成功させる上でも大きな意味があります。
被災協では、渡米する3名の行動を励ます思いを込めて、渡航支援の募金運動を始めました。読者の皆さの積極的なご協力をお願いいたします。


どうなるアベノミクス
…展望出せない政府…
山田拓民

衆議院選挙の投票日を一週間後に控えた12月6日の『長崎新聞』は、「論説」で、「十分な判断材料を示せ」という見出しを掲げ、衆議院選挙では安倍首相が前面に掲げるアベノミクスや集団的自衛権の行使容認の陰に隠れてきた憲法改正」に(国民の)注目が集まっている、と指摘、憲法問題は「この国と国民の将来に関わる重いテ~マであり、有権者には十分な判断材料が提供されなければならない。自民は、どのような将来像を描いているのかを具体的に示し、論戦を受けて立つべきだ」と述べています。まさにこの時期、理にかなった主張と言えるでしょう。
特に、自民党は、例えば「集団的自衛権」の行使容認にしても、本来、重大な憲法の改悪であり、当然、日本国憲法第九六条に基づき、「各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行われる投票において、その過半数の賛成を必要とする」という規定に従うべきなのに、安倍内閣はこれを無視し、閣議での決定で押し切ったという前科を持っているのです。
一度、理不尽な手口を覚えると、それを繰り返すのが無法者のやり方です。

アベノミクスとは一体なに?
同様のことは、「アベノミクス」についてもいえるのではないでしょうか。12月3日付の『長崎新聞』は、2面3面に衆議院選挙の特集を組み、与党・野党の動きを大きく報道しており、3面・2面には 「アペノミクス論戦」「野党独自色に躍起」と大きな横見出しを掲げ、その2面から3面には、「アペノミクス」の言葉は出てくるものの安倍首相が主張している「アベノミクス」とは一体何なのかについては、明示されていないような気が
しました。
私は、岩波ブックレットの山家悠紀夫著『アベノミクスと暮らしの行方』の受け売りですが、「アペノミクス」とは、「当面する安倍首相の経済政策」の意味であり、その内容は「①大胆な金融政策、②機動的な財政政策、③民間投資を喚起する成長戦略」のいわゆる3本の矢から構成されている、と理解しています。

自民党に示せない将来展望
たしかに日本経済は、バブル崩壊から約20年間低い成長率を抜け出せないできました。これをなんとしなければいけないというのは、誰しもが考えることでしょう。
では、アベノミクスで解決できるのでしょうか。日本の経済は、20年前に戻れるのでしょうか。
そうではない、とこの本(『アベノミクスと暮らしの行方』)は指摘しています。
経済を考える上で、この世にはいろんな学説かおり、その学説(思想)にはそれぞれの特徴があるわけですが、「アベノミクス」ではそれぞれ都合のいい部分がつまみ食いされているというのです。これでは展望を切り開くことはできないと思います。
さらに「アベノミクス」では、現状認識を誤っているとも指摘しています。例えば、安倍首相は「現在に至る約20年間、総じて低い成長に甘んじてきた」と言っているが、実際に低迷状態になったのは1998年からだと指摘するのです。
こうした指摘も踏まえて、自民党が、本気で現在の経済状況・政治状況の改善に取り組みたいという考えを持っているなら、もっときちんとした「政治方針」としての構想を国民に示す義務があるのではないかと、思っています。


◇図書紹介◇
私たちは政治の暴走を許すのか

立憲デモクラシーの会

今年7月1日、安倍内閣は臨時閣議で、憲法の文言は変えないままで、集団的自衛権の行使を容認するというとんでもない決定を行いました。
今回ご紹介する岩波ブックレット『私たちは政治の暴走を許すのか』は、昨年もみられた安倍首相らの不穏な動きに危機感を抱いた憲法学者、政治学者は、改めて憲法解釈変更反対する「立憲デモクラシーの会」を結成、今年4月25日のシンポジウムでの報告を収録したものです。
安倍内閣の暴挙から半年以上も経過すると、当時の危機感も薄れそうですが、衆議院選挙を前にして、もう一度当時の安倍内閣の企みを思い出し、投票に望むのも大事だと思い、取り上げた次第です。96条はそれほどお染みではないかもしれませんが、当時の安倍内閣の暴挙を思い出し、投票に望むのも大事ではないか、と思い、取り上げた次第です。
この本のページを追ってゆくと、コトの重大さが浮かび上がってくるはずです。そして、こういうことを正規の手続きも踏まず、従って国民の投票も行わず、単に閣議で決めてしまうやり方に憤りが湧いてくると思います。

(山田拓民)


二世の会からのお願い
「長崎被災協・被爆二世の会・長崎」は、2012年5月に結成した被爆二世の組織です。私たちは、私たち自身の健康と生活を守るとともに、核兵器廃絶を求める被爆者の思いと願いを継承し、戦争のない平和を実現するための活動を行う会です。
この回の目的に賛同する個入の被爆の二世の皆さん、ぜひ「長崎被災協・被爆二世の会・長崎」への加入をお願いします。
会費は、年3,000円です。

また、どなたでもこの二世の会の活動にご賛同いただける方は、ぜひ賛助会員としてご支援をお願いいたします。年会費1,000円です。

ゆうちょ銀行に口座をお持ちの方は、ゆうちょ口座間の振込の振込料は無料です。
☆ゆうちょ口座
17690-1168007
☆名前 長崎被災協・被爆二世の会・長崎
▼ご入会の方へは、年4回、会の「ニュース」を郵送します。また、行事などの案内をお送りします。

メールアドレス hisaikyo2sei@yahoo.co.jp

 fecebook もぜひご覧ください。


11月のうごき

2日

宮崎市で九州ブロック相談事業講習会(3日正午まで)。
長崎からは二世を含めて11名が参加。

5日 原爆症をめぐる集団訴訟(以後、この訴訟を「ノーモア被爆者集団訴訟」と呼びます)
7日 被爆70周年記念誌編集委員会
9日 アメリカの核実験(9月4日、10月3日)の「核実験に対する抗議する市民の会」による抗議の座り込み
被爆二世の会・会議
11日 機関紙発送作業(田中、平井)
12日 事務局会議
13日

被爆者5団体会議(山田・柿田)

17日 原爆資料館運営委員会(谷口)
19日 事務局会議
20日 日本被団協代表理事会(谷口・山田)⇒21日まで。
本島さんを送る会実行委員会(柿田)
25日 ノーモア被爆者集団訴訟弁護団会議(柿田)
26日 第3回(拡大)理事会