2016年9月9日発行の新聞『被団協』395号の内容をご紹介します。

被爆71年目の夏の取り組み

◎8月3日、南山高校生徒会役員4名、訪問
被災協被爆体験を語る会の吉田 勲氏、田中 安次郎氏が被爆体験を語り、質問に答えました。
最後に「若い皆さん方がしっかりバトンを受け継いでください」と話しました。録画したDVDは南山高校で上演されました。(理事・吉田 勲)

◎8月5日、ピースボートでの平和のイベント
日韓の市民約1000人が乗船し、交流しながら平和や環境問題を考える世界の船旅。5日、長崎に寄港し、船内でイベントが開かれ、私か被爆体験と国際署名の訴えを行いました。(副会長・横山 照子)

◎8月6日、広島市平和記念式典
田上市長、毎熊市議会議長とともに長崎の被爆者代表として献花をおこないました。日赤広島原爆病院や原爆老人ホームなどを訪問し、被爆者の方々の歓迎を受けました。(監事・浦川 薫)

◎8月7日、立命館大学平和セミナー
「原子爆弾の下で何か起きたのかをリアルに認識する」というテーマで立命館大学平和セミナーが総合福祉センターで開催されました。立命館大学とアメリカン大学の学生約40名とビーター・カズニック教授らが参加、私は被爆体験を証言しました。「10年間の沈黙」を強いられた被爆者協、被団協を立ち上げ、原水爆禁止運動に取り組んでいく姿に関心が寄せられました。(評議員・大塚 一俊)

◎8月8日、「虹のひろぱ」
長崎市民会館文化ホールで日本生協連主催「虹のひろば」が「戦争も核兵器もない平和な未来を~継承・ナガサキの想いを誰に伝えますか!?~」というテーマで開催され、850名が参加しました。森内 實副会長が被爆者として挨拶し、母親の被爆体験や二世の会の活動などを報告しました。「永遠の会」の朗読や、高校生1万人署名活動実行委員会、「2016子ども平和会議」など様々な継承活動が紹介されました。分科会「じっくり聴く被爆の証言」では、池田 早苗理事が被爆体験をじっくり語りました。(事務局長・柿田富美枝)

◎8月8日、キム国連事務次長との懇談
日本被団協の単務局役員と長崎被災協の谷口会長、田中、森内、横山副会長が参加しました。
キム事務次長は「事務総長は、被爆者の苦しみを平和の願いに変えようと決意しています」と挨拶。「来年、禁止条約を作るよう努力している。オバマ政権のうちに前へ進めたい。軍縮教育が大事だ。」と話されました。そして、「国際署名」=の話をする中で、1950年のストックホルムアピール署名が朝鮮戦争中にアメリカによる核兵器使用を断念させたことに感動されていました。(横山 照子)

17

◎8月8日、「連合2016平和長崎集会」
県立体育館アリーナで「連合2016平和長崎集会」が開催されました。被爆から71年を迎え、戦争と被爆の悲惨さを伝える人が少なくなり、再び戦争の道に進むのではないかと将来に不安を感じていましたが、平和集会に参加して、戦争を知らない若い人達が心の底から「核兵器廃絶、世界恒久平和」を願って国際的に署名活動を積極的に広げている、平和を求める熱意に感激しました。
「今、被爆者の私にできることは何か!」と考えさせられました。(理事・道下 考人)

◎8月9日、マイクロフィルム奉安
今年亡くなられた被爆者の名簿が納められた、マイクロフィルムを原爆投下中心碑に、被爆者代表で奉安しました。
犠牲になられた方々のご冥福をお祈りすると同時に戦争のない平和がいつまでも続くよう、核兵器廃絶の実現を誓いました.(副会長・森内 實)

◎8月9日、長崎市平和祈念式典
流れ献花に被爆者代表として園田+一郎さん、永田幸子さん、松本シゲ子さんが参列しました。
今年も合同で長崎と諌早の「被爆二世の会」は献花式を爆心地公園で行い、式典に参列しました。

◎8月9日、政府要請「ゼロ回答」
長崎被災協など被爆者5団体と政府側の面談がホテルニュー長崎でおこなわれ、田中副会長と柿田事務局長が出席しました。
初めに被爆者代表として被爆連の川野議長が「被爆体験者」の被爆地域拡大、原爆症認定制度改善の内容を説明し、安倍首相に要望書を手渡しました。塩崎厚労大臣、薗浦外務省副大臣の回答のあと、安倍首相がまとめて長々と発言されましたが、内容はゼロ回答でした。被爆者の発言する時間はほとんどなく、政府側の温かみのない、通り一遍のセレモニ一になっていると思いました。
「被爆体験者」を被爆者と認める政治的な解決を強く要求します。(田中 重光)

◎8月9日、原水爆禁止世界大会
原水爆禁止世界大会は長崎市民会館体育館で開催されました。谷口稜嘩会長は来賓挨拶で「世界の人々の力を合わせ核兵器廃絶の条約を作らせよう。『国際署名』を世界規模の大きな運動に広げよう」と訴えました。
被爆の証言を、被災協被爆体験を語り継ぐ会の深堀 悟さんが「家族了人と叔母の一家3人が次々に亡くなって自分一人生き残った状況」を話し終わると、以前近所に住んでいた他県から参加していた女性が駆け寄って来ました。山口仙二さんの生きざまを力強い歌声と語りで、合唱で構成した訴えが心に響きました。
若い人たちの参加が多く「被爆者の思いを受け継ごう」「国際署名を成功させよう」と会場いっぱいに溢れていました。(横山 照子)

12

◎8月9日、胎内被爆者のつどい
カトリックセンターで行われた「胎内被爆者のつどい」に、被爆二世の穴の理事・堀洋美が被爆二世の会の活動を紹介しました。
リレートークでは、胎内被爆者である高見大司教のお話や、長崎被災協が関わった、ある胎内被爆者の青年の話、また障害を持った胎内被爆者の方の話など横山 照子副会長の報告を興味深く聞きました。
中でも城山小学校の「原爆学級」の話は、広島の「原爆学級」だった人達も驚くような内容でした。胎内被爆者と被爆者が一つのクラスに集められ、6年間で一度も席替えがなく、同学年の「被爆者」と「胎内被爆者」の学力や体力など成長過程を比較していたということでした。非人道的な原爆の被害者に対して、その後も人権を無視した研究だと思いました。差別を恐れ、被爆者だと言えなかった事など、常に不安があったそうです。胎内被爆者の話を初めて聞き、良い機会となりました (堀 洋美)

◎8月15日、「不戦のつどい」
爆心地公園そばの不戦の碑の前で行われた「不戦のつどい」は、太平洋戦争が始まった12月8日と、終戦の8月15日の年に2回行われています。山田 拓民顧問、田中副会長、大越 富子・二世の会理事、佐藤 直子と次男が参加しました。
つどいの中で、毎回、杖をついて諌早からJRで参加されている故・山田かんさんの奥様が「今年は暑いし、足は痛いし、行くのをやめようかと迷いましたが、戦争で亡くなった方の事を思えば、そんなことは言っていられない!」と話されました。つどいにご参加される被爆者は、年々少なくなってきています。二世・三世のみなさんの参加をお願いしたいと思います。(理事・佐藤 直子)

◎8月15日、全国戦没者慰霊式典
東京の日本武道館で、政府主催でおこなわれた式典に長崎の被爆者代表として参列しました。
靖国神社にも行きましたが、戦争賛美ではなく、戦争の悲惨さを伝える大切さを痛感し戦争法反対の思いを強くしました。(評議員・田中 安次郎)

※今回掲載できませんでした活動、事務局日誌は10月号に掲載いたします。ご了承ください。

ヒバクシャが訴える核兵器廃絶国際署名 発足式
「ヒバクシャが訴える核兵器廃絶国際署名を進める長崎県民の会」の発足式を開催しますので、ぜひご参加ください!!
9月26日(月)午前11時~12時 被災協地下講堂にて
ナガサキ地球市民集会の朝長万左男・実行委員長(日赤原爆病院名誉院長)が代表賛同人です。さらに今、長崎県知事、長崎市長、平和推進協会会長にもお願いしているところです。
被爆者が「最後の力を振り絞って」という思いで、世界で数億の署名を集め、核兵器禁止条約を実現させようという運動で、多くの市民団体などが被爆者を支援しています。
この日、夕方4時~5時は浜の町浜クロス前(旧大丸)で支援団体による街頭宣伝がおこなわれます。元気な方はご参加ください。
ノーモアヒバクシャ訴訟
長崎では7名の原爆症認定裁判の原告がいます。原爆の被害を法廷であきらかにしていきます。今回「ヒロシマナガサキ、核戦争がもたらすもの」という映画が証拠として上映されます。ぜひご参加ください!!
9月29日(木)午後1時半~2時半
長崎地裁1階ロビーに1時20分までに集合ください。

日本被団協九州ブロック相談事業講習会in福岡
10月30日(日)14時~17時
講演(日本被団協田中事務局長など)夜は懇親会、二世は交流会も。
10月31日(月)9時~12時
講演(認知症高齢者民間施設長の話など)
参加費(JR、宿泊1泊、懇親会、朝食、会議費込)20,500円
九州各県から被爆者や二世、約150名が参加。申し込まれる方は電話、FAX、メール等で連絡ください。詳しい案内、振込用紙をお送りします。

連絡先 電話095-844-0958 FAX095-847-9135
メールアドレス hisaikyo@ngs2.cncm.ne.jp