2019年05月9日発行の新聞『被団協』427号の内容をご紹介します。

原爆症認定訴訟 長崎地裁判決

5 月 27 日(月)13 時 10 分より長崎地裁で「ノーモアヒバクシャ訴訟(原爆症認定訴訟)」の原告 5 名の判決が言い渡されました。ガンや急性心筋梗塞などの疾患のうち、2 人を原爆症と認めました。
国は原爆症認定審査で、被爆者の申請した疾病が原爆放射線の影響が原因とする「放射性起因性」、医療が必要な状態にある「要医療性」を条件としています。
長崎地裁では2名の原告にはそれらがあると認めました。初期放射線だけでなく、直後に食べた物での内部被爆も考慮しました。
また被爆時の状況、その後の状況から適切に判断しました。
しかし、3 名の原告については現在、症状があり、治療が行われているにもかかわらず、医師の判断をも無視する不当な判決でした。控訴に向けて準備を進めているところです。
長崎地裁での係争中に 1 名が死亡しました。
被爆者は高齢化し、時間がありません。国は控訴を断念すべきです。
被爆者の実態に即した公正平等な被爆者行政を、そして一日も早い解決を求めて、日本被団協では「当面の要求」を提言しています。


「池田早苗氏、逝去」

5 月 16 日(木)被災協理事を長年務めた池田早苗氏が 86 歳で亡くなりました。
山口仙二さんや谷口稜 曄さんらとともに長崎青年乙女の会で、地元の西町被災協では福田須磨子さんらと活動してきました。
原爆から 10 日間で兄弟 5 人全員を亡くした悲惨な体験を、修学旅行生たちに長年語ってきました。自分たちのような被爆者をふたたびつくってはならないという強い思いで被爆者運動を続けられました。
池田氏は、浦上川が遺体でいっぱいになった被爆当時の様子が忘れられず、慰霊のため浦上川緑地帯に花を植える活動を 1 人で始めました。
被爆 70 年の記念事業として二世と一緒に行うことを提案し、昨年より地元の高校生、大学生、ボランティアの方々に参加してもらうなど活動が広がっています。長女の佐藤直子氏は二世の会・長崎の会長を務めています。


浦上川緑地帯で花植えを

6月16日(日)午前 10 時~11 時半、浦上川緑地帯で花壇整備をおこないます。
被災協の被爆者、被爆二世の会会員とともに地元の高校生、大学生、市民と草取り、花植えの活動です。
帽子、スコップ等は各自持参ください。
軍手、飲み物は準備します。
参加できる方はお電話ください。
(被災協 095-844-0958)

ビッグ N 大橋球場の正門そば、下大橋の下です。30 分でもけっこうです。どなたでもご参加ください。


Peace Wave 2019

核兵器禁止条約が国連で採択された 2017年7月 7日から2周年を迎えます。
この条約に最初に批准した 3 カ国のうちの一つがバチカン市国です。
11 月にはローマ教皇が被爆地長崎を訪れる予定です。
核兵器禁止条約 2 周年記念、ローマ教皇の来日を歓迎する講演会が、長崎県宗教者懇話会、
「ヒバクシャ国際署名」をすすめる長崎県民の会の共催で開催されます。

と き:7 月 7 日(日)14 時~16 時半

ところ:被災協地下講堂

講演

「核兵器禁止条約をめぐる世界の動き」
中村桂子氏(長崎大学 RECNA 准教授)
「核兵器についてバチカンの考え」
高見三明氏(カトリック長崎大司教区大司教)


核実験抗議の座り込み

今年 2 月に、アメリカが臨界前核実験をしていたことが 5 月 24 日に明らかになったことを受け6 月 2 日(日)午前 11 時より 1 時間、平和祈念像前で「核実験に抗議する長崎市民の会」による座り込みが行われました。
被爆者や被爆二世を含む、約 40 名が参加しました。
長崎被災協から田中会長、二世の会から 2名が参加しました。この座り込みは 1974 年に始まり、今回 404 回目となります。
被爆者は、トランプ政権になって 2 回目となる核実験への怒りや被爆の悲惨さ、核兵器廃絶への思いを訴えました。
被爆二世の赤水ますみさんは「福祉施設で働いています。施設の被爆者の方に座り込みに行ってくると話したら『頑張ってきてね。』と言われました。被爆者の高齢化の中、被爆二世や若い世代が行動を起こし、署名活動や座り込みなどできることから参加したいと思います。」と発言し、大きな拍手を受けました。

「私たちはいかなる核実験や核保有を絶対に許さない。被爆地ナガサキから激しい怒りをもって抗議し、即時中止せよ。」という声明文が読み上げられ、市民の会参加者一同の名前でトランプ大統領あてに送られました。


署名スタート 3 周年のつどい

2016 年 4 月に日本被団協がヒバクシャ国際署名の運動を提起しました。その翌月、広島に米国のオ
バマ大統領が初めて訪問するという日に、長崎でも核兵器廃絶をアピールするため、平和公園にて街頭
宣伝を行い、署名活動のスタートとしました。

今年 5 月 26 日(日)13 時半より 15 時半まで長崎市民会館第 9,10 会議室で、「署名スタート 3 周年のつどい」が開催されました。
田上長崎市長は「核兵器禁止条約が国連で採択され、その流れを前に進めるのは市民社会の意思と行動であり、私たちの思いである『ヒバクシャ国際署名』を国連にも政府にも届けよう」と連帯の挨拶を行いました。
田中重光共同代表は「アメリカの未臨界核実験に怒りを持ち、それを力に署名行動に奮闘しよう」と呼びかけました。

長崎大学核兵器廃絶研究センターの鈴木達治郎・副センター長は演題「増大する核の脅威:核の傘は万全か」で講演し、非核化と平和に向けた歴史的転換点を迎えている朝鮮半島や北東アジアの非核地帯に向けて市民社会と政府が力を合わせるべきなど述べられました。

朝長万左男共同代表は閉会挨拶で「2020 年へ向けて気合入れて頑張ろう」と呼びかけました。


5月の事務局日誌
8 日(水)署名県民の会事務局会議

10 日(金)長崎市と被災協建物の件で話し合い

11 日(土)平和宣言文起草委員会(下平、佐藤)
15 日(水)平和推進協理事会(田中)

16 日(木)政府要請言打合せ・市、被爆者 5 団体
(田中、柿田)、
大村支部つどい(横山)
18 日(土)二世の会・長崎総会、池田早苗氏葬儀

20 日(月)安保法制違憲国賠訴訟口頭弁論(田中、
森内、横山)
21 日(火)韓国大邱市職員と交流(田中、横山)
弁護団会議(柿田)
26 日(日)署名スタート 3 周年のつどい、街宣

27 日(月)ノーモアヒバクシャ訴訟・長崎地裁判決

28 日(火)被爆者 5 団体核実験抗議記者会見(田中)

長崎県民の会に寄せられた署名
6月10日現在 297,858 筆
(他団体分合わせ 339,348 筆)
2020 年秋までに 50 万目標です。

6月の予定

2 日(日)米国核実験抗議の座り込み

6 日(木)署名県民の会事務局会議

7 日(金)事務局会議、会計監査
8 日(土)平和宣言文起草委員会、県 9 条の会

10 日(月)政府要請言打合せ
11 日(火)日本被団協代表理事会

12 日(水)~13 日(木)日本被団協総会

14 日(金)日本被団協中央行動

15 日(土)大石芳野さんと語る会

16 日(日)浦上川緑地帯花植え、ながさき平和大集会

17 日(月)被災協第 1 回理事会
20 日(木)ノーモアヒバクシャ訴訟・長崎地裁 13 時半
21 日(金)被災協第 71 回評議員会