2021年5月9日発行の新聞『被団協』451号の内容をご紹介します。

「被爆二世健康記録簿」説明会

4 月 17 日(土)13 時 30 分から、被災協と被爆二世の会・長崎と諫早の共催にて「被爆二世健康記録簿の説明会」を開催。
被爆者 6 名、被爆二世 12 名、事務局 2 名が参加しました。
まず、この 4 月新たに長崎市原爆被爆対策部長に就任された前田孝志氏、被災協の横山照子副会長が挨拶。
次に柿田事務局長が、これまで日本被団協と共に国に対して行ってきた被爆二世施策要求運動の経緯について話しました。
続いて長崎市原爆被爆対策部調査課の数係長より、この度発行される「被爆二世健康記録簿」についての説明を頂き、質疑応答を行いました。

<現状>
現在では被爆二世は年に一度無料健診を受診できることになっています。
検査項目にがん検診を入れるなどの内容充実を要求しています。
また、被爆二世を証明する手帳の発行や医療費助成については一部の地域(東京都・神奈川県・大阪府吹田市)のみで実施されています。
このような地域格差をなくし全ての二世に対して平等に実施するよう国に要求し続けています。

<記録簿の発行について>
この記録簿は全国ほぼ同じ内容で被爆二世へ発行されます。
長崎市と長崎県は二世健診を受診し希望する方へ今年 6 月から発行します。
受診先で受け取れない場合は郵送でも対応するそうです。
長崎県外にお住いの方は、住民登録されている自治体にて二世健診を受診し発行してもらってください。

今回の記録簿は、残念ながら私たちが国へ要求し続けている被爆二世としての証明でも、医療費助成を受けられるためのものでもありません。
要求実現のため、まずはぜひ被爆二世健診を受診するようお願いします。

(「長崎被災協・被爆二世の会・長崎」 会長・佐藤直子)


「被爆者の店」の件

被災協では長年、被爆者の授産施設として「被爆者の店」を経営してきました。
1999 年からみやげ物販売業者に委託し、その家賃収入は被災協の最も大きな収入として運動、運営を支えてきました。
しかし、コロナの影響で国内外の観光客は激減し、2020 年 9 月に経営者は撤退を余儀なくされました。
被災協では多くの方々の知恵をお借りし、その紹介で新たな借主が契約寸前でしたが、今年3 月初旬に断念となりました。
現在、借主を探しています。
お知り合いがおられましたら、ご紹介ください。
1 階部分店舗 72 坪です。


<募金と、会費納入のお願い>

このコロナ禍の中、昨年度は修学旅行で来る予定だった学校 350 校のうち、100 校がキャンセルとなり、被災協の大きな収入である被爆者の講話での会場使用料等が大幅に減少しました。
今年度も春の分はキャンセルとなっており、秋の講話もどうなるのか不安を抱えております。
被災協の運動、運営を支えるため、ぜひともご支援をお願いいたします。
今回、郵便振込用紙を同封いたしておりますので、よろしくお願いいたします。
なお、被災協の個人年会費は 1,000 円です。
会費の納入も合わせてお願いいたします。

 

「長崎被災協支援緊急募金」
郵便振替 01800-8-12398
(財団法人)長崎原爆被災者協議会

被爆体験を子どもたちに

(講師 三田村シズ子さん)

被災協では現在 16 名の「被爆体験を語り継ぐ会」会員により修学旅行で長崎を訪れる児童・生徒等への講話を行い、次世代に被爆体験を語り伝える活動を長年続けています。
講話を受講する修学旅行生は、九州内の小学生を中心に中学生・高校生まで幅広い年代。
講話時間は学校の授業時間に合わせて、質疑応答も含めて 1 時間以内となっており、講話を終えた児童・生徒より原爆や平和のこと、命の大切さについての感想をいただき、講師の方々の励みにもなっております。
被爆者の皆さん、被爆体験を話し、伝えていく活動にぜひご参加いただければと思いますので、話してみようと思われる方は、被災協事務所までご連絡ください。
電話 095-844-0958

(担当 事務局員 中元英貴)


被爆者の相談活動、支援活動について

被爆者相談を長年、担当している横山照子・副会長に同行し、いろんな被爆者の皆さんにお会いする機会を得ました。
いずれも 80 歳前後となり、一人暮らしの方が多くなっています。
そして人との交流が極端に少なくなっているようです。
コロナ禍が収まり、人の往来が正常に戻ったら、被爆者やそのご家族や支えていただいている皆さんが寄り添い、気軽にお茶を飲んだり、語り合ったりできる場、皆さんが集える場所を作ったらどうかと考えています。
さて、皆さんが少しでも快適に過ごすために優しいお医者さんや親切なケアマネさんとの出会いが大切です。
先日、こんなことがありました。一人の被爆者を身内の方がおひとりで支援しておられましたが、本当にしんどそうでした。
そこで開業医の先生とケアマネさんと福祉施設とお身内のその方がタッグを組む中で介護の認定度も上がり利用できる範囲も増えて、チームでしっかり支えていく体制ができました。
被爆者の方ご自身も大勢の皆さんと接点が広がり、いきいきとされています。
被災協被爆者相談所では今、生活支援が必要な方のリストアップを進めていますが、これから訪問活動も活発化させていきたいと考えています。
被爆者同士の助け合いを強め、専門家のお知恵もお借りして相談支援活動を進めてまいります。

(被災協被爆者相談員 中川原芳紀)


独居被爆者訪問

被災協では長崎県の委託事業で独居被爆者訪問事業を行っています。
4 月 7 日、川口重美・被災協相談員と柿田富美枝・事務局長が長与町の被爆者(70 代女性)を訪問しました。
今は大きな病気もなく、地域に根差した活動や、親戚、友人との定期的な交流を行なっておられました。
「戦後しばらくして亡くなった父親は今思えば原爆症だったのでしょう。」「被爆者のため核兵器廃絶のため、山口仙二さんや谷口稜曄さんたちが率先して頑張られた。核兵器をなくさねば。」と語られました。


4月の事務局日誌

2日(金) 須磨子忌
5日(月) 事務局会議
7日(水) 独居被爆者訪問
8日(木) 長崎県国際課来訪、長崎国立追悼祈念館長、平和推進協事務局長来訪
9日(金) 新聞発送
10日(土) 「被災協・二世の会・諫早」総会
17日(土) 「被爆二世健康記録簿説明会」
18日(日) 長崎・憲法 9 条の会
22日(木) 事務局会議
26日(月) 三役会議、事務局会議
27日(火) 日本被団協二世委員会・オンライン会議

 

5月の予定

11 日(火) 新聞発送
13 日(木) 事務局会議
14 日(金) 政府要請打合せ・被爆者 5 団体
20 日(木) 事務局会議
23 日(日) 「被災協・二世の会・長崎」総会(書面議決に)
30 日(日) 「被災協・二世の会・諫早」百日紅公園清掃活動