2021年6月9日発行の新聞『被団協』452号の内容をご紹介します。

長崎被災協結成 65 周年を迎えて

1954 年 3 月 1 日、ビキニ環礁で行われた米国の水爆実験の被害によって原水爆禁止運動が起こり、原水爆禁止世界大会が開催されました。
原水爆を許さないという国民、市民の声に励まされ、被爆者は 1956 年 6 月 23 日、長崎で原爆被災者協議会を立ち上げました。
8 月 10 日に全国組織である日本原水爆被害者団体協議会(略称:日本被団協)が結成されました。
国家補償の援護法と「ふたたび被爆者をつくるな」と核兵器廃絶を訴え続け、長崎被災協は 6 月 23日に 65 周年を迎えます。
昨年 10 月、50 ヵ国を超える国が核兵器禁止条約に締結、今年 1 月 26 日には条約が発効し、被爆者の一番の願いが実りました。
しかし、これから核兵器のない世界を実現するため、さらに運動を進めなければなりません。
そうした重要なときですが、コロナ感染拡大防止のため被災協 65 周年記念行事を来年に延期することを理事会で決めました。


長崎被災協緊急募金へのご協力をお願いいたします

日頃より長崎被災協へのご支援に心より御礼申し上げます。
皆様ご承知のことと存じますが、このコロナ禍で「被爆者の店」を委託しておりました業者が昨年 9 月に撤退し、私どもの財源の大半を担っていた「被爆者の店」の家賃収入を失い、現在、活動資金の確保に支障をきたしているところでございます。
世界や国内から原水爆禁止世界大会を通じて寄せられた被爆者救援金をもとに、被爆者の自立・更生とふたたび被爆者をつくらない運動の砦として「被爆者の店」を発足、今日に至っています。
この店は、長崎被災協の希望の星であり活動の大きな支えでもありました。
どうかこの窮状をお察しの上、募金等、格段のご配慮を賜りますよう心よりお願い申し上げます。

① 郵便振替 01800-8-12398
または
② 十八親和銀行 浦上支店 普通口座 226093

どちらも口座名は (一財)長崎原爆被災者協議会 会長 田中重光
イッパンザイダンホウジン
ナガサキゲンバクヒサイシャキョウギカイ
カイチョウ タナカシゲミツ


緊急支援募金ありがとうございます

5 月 31 日現在 108 名の方々に 1,507,000 円の寄付をいただいております。

引き続き、ご支援をよろしくお願いいたします。


― 辻幸江さん 死去 ―

「あの日から 10 年、毎日毎日が苦しみの日でした。……戦争さえ、原爆さえなかったらこんなみじめな姿にはならなかったのです。……何度死のうかと思ったことでしょう。……けれど…私たちが死んでしまったら誰がこの苦しみを世界に知らせてくれるのですか。…こういう苦しみを繰り返さぬよう…私たちも頑張ります。」
これは、昭和 30 年(1955)第 1 回原水爆禁止世界大会広島で、長崎の原爆乙女 2 人の涙の訴えです。
長崎で初めて発足したばかりの被爆者組織「原爆乙女の会」の山口美佐子さんと辻幸江さん。
額に怪我と、腕に痛々しい火傷の痕をみて、2500 人の会場は涙と励ましの拍手で包まれました。
初めて被爆の惨状が、世界や日本中の人々に広がり、救援の手が寄せられ、各地から原爆の話をして欲しいとの要請が相次ぎました。
辻さんは山口仙二さんと長野県に赴きました。
長崎の被爆者運動の出発点です。
辻さんは、1.2 キロの茂里町製鋼所で被爆。建物の下敷きになり、顔、首、胸、腕や大腿部に火傷。
その後、結婚、生まれた男の子が 9 日目に死亡。離婚。生き地獄にも似た毎日。家に引きこもった日々でした。
会では渡辺千恵子さんや仲間たちを支え、見守る控えめな辻さんでした。
「被爆者の訴え」が初めて導入された昭和 45 年(1970)の平和祈念式典で、辻さんは「核兵器禁止と被爆者援護」を力強く訴えました。
長崎の被爆者運動の源をつくった辻幸江さんを忘れません。
辻さん!千恵子さん、仙二さんにお会いできましたか?

(被災協副会長・横山照子)


「被災協・被爆二世の会」長崎、諫早 新しい会長の紹介

「被爆二世の会・長崎」
この度、佐藤直子前会長の後任として会長を務めます山崎和幸です。
九死に一生を得た被爆者を親に持ち、必然的に被爆 2 世を背負って生きて来た 1 人として、長崎から世界へ平和を叫び続ける事は特別な意味があると思っています。
命を賭して核兵器廃絶を訴え続けて来た被爆者の思いを真摯に受けとめて二世の立場で何が出来るのか、会員と市民の皆さんと積極的に話をしながら考えて取り組んでいきたいと思います。

「被爆二世の会・諫早」
2021 年 4 月に会長に就任いたしました髙屋忠義です。
2012 年 5 月結成時から会長を務めた森多久男氏が熱心に慰霊碑建立に関わる役所との交渉を行い、昨年、無事、建立することができました。
これから慰霊碑を会員と市民の方々とともに守ってまいります。
中島・副会長、大宮・事務局長、会員の方々の協力のもと、被爆の史実を子や孫の世代に継承していく所存です。
宜しくお願い致します。


浦上川の花植え作業

6 月 13 日(日)9 時~11 時、浦上川の花壇の草取りのあと、日々草、マリーゴールド、ガザニアなど 300 個の花を植えます。
浦上川で亡くなられた方々の慰霊のため 8 月 9 日に向けて色とりどりの花で綺麗にするため、ぜひご参加ください。
帽子、タオルをご持参ください。(軍手、スコップ、お茶あり)
なお事前に参加連絡を被災協までお願いします。
※雨天の場合は、6 月 19 日(土)9 時へ延期。
Facebook に掲載。


5月の事務局日誌

11 日(火) 新聞発送
13 日(木) 事務局会議
20 日(木) 事務局会議
25 日(火) 「被爆二世の会・長崎」「被爆爆二世の会・諫早」役員連絡会
26 日(水) 医福懇・編集会議オンライン(柿田)
27 日(木) 辻幸江さん葬儀(田中、横山)、事務局会議
28 日(金) 「被爆二世の会・長崎」総会(中止・書面議決)
30 日(日) 「被爆二世の会・諫早」百日紅公園清掃活動

 

6月の予定

1 日(火) 政府要請打合せ・被爆者 5 団体(田中、柿田)
2 日(水) 「平和の誓い」選考委員会(田中)
4 日(金) 平和推進協会理事会(田中)
9 日(水) 新聞発送
10 日(木) 事務局会議
12 日(土) 長崎市平和宣言起草委員会(田中、佐藤)
13 日(日) 被災協と「被爆二世の会・長崎」、浦上川緑地帯花植え
14 日(月) 三役会議 10 時~
第 3 回理事会 13 時半~
20 日(日) 「被爆二世の会・長崎」理事会
28 日(月) 第 73 回評議員会 13 時半~
第 4 回理事会 15 時半~