自民党の小野寺安全保障調査会長は12月21日、非核三原則について議論する考えを明らかにした。
これは米国が抑止力として提供しているとされる「核の傘」に依存する現状を踏まえ、「議論すべき課題の一つだ」と述べたものだ。これに日本維新の会の前原安全保障調査会長も同様の認識を示した。
これらは「核抑止」の幻想にもとづいた乱暴な議論だ。
首相官邸の幹部が「私は核保有すべきだと思っている」と発言したことと相まって、日本国民また世界の人たちに、日本の政治家が「核容認」に踏み切ったと誤解させる発言だ。
日本は、戦争被爆国として、どんな困難があっても核廃絶を主導すべきであり、核廃絶の旗を降ろしてはならない。
今年は被爆80年。被爆者は、あの苦しい時代から立ち上がってきた80年を踏みにじる発言を絶対に許さない。強く抗議する。日本政府がとるべき姿勢は二度とこのような「被爆者」を生み出さない世界を目指し、実現することだ。
私たちがこのようなことを言うと「核兵器を使わせないために『核抑止力』が必要だ」と主張する人たちがいる。
「このようなことは核兵器を持つ国に抗議すべきで、日本政府に抗議するな」という方もいる。
しかし、被爆者が訴えてきたのは「世界中の誰にも自分たちのような被爆者にならないでほしい」ということだ。
「核なき世界」を実現するためには、唯一の戦争被爆国である我が国の政府が「非核三原則」を国是とし、核兵器も含め武力による安全保障を脱却し人間の尊厳を基調とする安全保障政策を高らかに宣言すべきであると考える。
「戦争は人の心の中で生まれるものであるから、人の心の中に平和のとりでを築かなければならない」という平和の理念に基づいて世界の安全保障を設計するべく、行動すべきである。そのためにまずは核兵器禁止条約への参加を求める。
その上で核保有国を含め、それぞれの国家間にある相互不信を相互信頼に変えていく、具体的な外交努力を果たすべきである。
自民党と日本維新の会の安全保障調査会長の発言から、高市政権は、来年の安保三文書の改定にあわせて、非核三原則の見直しを検討していく方針と見られる。とくに「持ち込ませず」の項目を焦点とし、アメリカによる核抑止の実効性強化を狙うものといわれている。政府には直ちにこういった「核抑止」に立脚した安全保障政策を転換し、人間の安全保障に基づく政策実現に邁進していただきたい。
私たち被爆者四団体は改めて申し上げる。
「ノーモアヒロシマ、ノーモアナガサキ、ノーモアウォー、ノーモアヒバクシャ」と。
2025年12月24日
長崎原爆遺族会
長崎県被爆者手帳友の会
長崎県平和運動センター被爆者連絡協議会
一般財団法人 長崎原爆被災者協議会
2025年12月24日 長崎被災協二階で記者会見を行いました。
