日本政府、またも賛同を拒否
=ジュネーブでの反核共同声明=
被爆者5団体、ただちに抗議
ジュネーブで開かれている核拡散防止条約(NPT)再検討会議へ向けた第2回準備委員会で、4月24日、南アフリカは「私たちは、核兵器使用のもたらす壊滅的な人道的結果について深く懸念しています。
このことは、核兵器が最初に開発されて以来認知され、様々な国連決議ならびに多国間条約に反映されてきた一方で、長年にわたって核軍縮及び核不拡散の協議の中心に据えられることはありませんでした」で始まる《共同声明》を提案、70ケ国を超える国々が賛同しましたが、日本政府は賛同しませんでした。
《共同声明》が「核兵器が二度とふたたび、いかなる状況下おいても、使用されないことに人類の生存がかかっています。」と訴えていることについて、日本政府は「いかなる状況下においても」の文言を削除するよう求めたが、受け入れられなかったために、賛同しなかったということです。
実は、昨年秋の国連総会でも、日本政府は、「核兵器を非合法化する努力」を促す共同声明への賛同を求められ、「核兵器の非合法化」は、日本の安全保障政策に合致しないと署名を断った経過があり、今回の提案にあたっては、スイスなどは、あえて「非合法化」の言葉を避けたとも報道されています。
実際に核兵器の被害を被り、熟知している国の政府がこのような態度をとったことに対し、被爆地長崎の被爆者5団体は、「核兵器は絶対悪の兵器です。」という内容の安倍総理あての抗議文を送りました。日本被団協も、ただちに総理あての抗議文を送付しました。
2世の会が総会ひらく
役員体制も拡充
長崎被災協の二世の会は、4月27日午後1時30分から長崎被災協2階会議室で2013年度の総会を開き、会員拡大目標100名とするなどの今年度の活動方針を決め、会長と事務局長の2名だった役員体制を8名に拡充し、会長・佐藤直子さんほか副会長、広報、会計、監査、事務局長を新年度の役員として選出しました。
この日決まった今年度の活動方針は、次のとおりです。
①会員拡大目標を100名とする。
②被爆二世健診を推進する。
③各都道府県の二世対策や被爆者への援護施策、被爆者運動などの学習を深める。
④被爆体験講話を聞く。碑巡りを行う。被爆体験の聞き取りを行う。
⑤日本被団協、九州ブロックの二世の会、「諌早・二世の会」と連携する。
⑥「原爆と人間展」写真パネル展をおこなう。
⑦8月8日の「平和の灯」、9日の平和記念式典に参加する。
⑧写真家・吉田敬三氏、熊本二世・三世の会会長・青木栄氏の講演会を開催する。
また、昨年度は1000円だった年会費は、3000円と改定され、このあと、総額57万4千円の本年度の予算を確定、総会は閉会しました。
◆自民党の改憲構想◆
まずは96条の改正へ
夏の参議院選挙が一つの山場
事務局長・山田拓民
昨年の衆議院選挙で「日本国憲法の改正」を公約に掲げた自民党政権は、もっぱら改正の標的を「憲法96条」に絞って改正を呼びかけており、(「憲法96条」がどのような内容かは、このあとに条文を掲げていますからご覧下さい)夏の参議院選挙で一定数の議席を獲得できたら、すぐにでも国会に提案しそうな雲行きです。
なぜ、今、憲法を、と尋ねると、自民党の先生方はきっとこう答えるでしよう。
「憲法を変えるといっても、何も今すぐ自衛隊を国防軍にして外国に攻めて行こうとか、言うんじゃありませんよ。憲法だって制定して66年半もたてば、世の中も変わりますから、あっちこっち手を加えたり変更したりするところが出てきても、決しておかしくはありませんよね。むしろ、この66年間、全然憲法に手を加えなかったことの方がおかしいんじゃないでしょうか。きっと「日本国憲法一は、国民に忘れられてきたんですよ。それじゃいけない。憲法はもっと身近なものにしなくちゃあね。時代が変われば憲法も変わって当然。その時、衆議院・参議院のそれぞれ3分の2以上の議員が賛成しなければ提案もできないのじゃ窮屈だから、衆議院・参議院で過半数の国会議員の賛成があれば変更を提案できるとしておいた方が、いいんじゃないでしょうか。なんといっても、物事を決めるときに、〈過半数の賛成〉というのは民主主義の常識ですからね」
日本国憲法第96条
この憲法の改正は、各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、国会がこれを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会が定める選挙の際行われる投票において、その過半数の賛成を必要とする。
9条改正も視野に
=自民・安保調査会=
自民党の憲法改正について紹介している時に、自民党内では、また、新たな動きがありました。
4月24日付けの『朝日』によれば、自民党の安全保障調査会・国防部会が、このほど年内に作成する「新防衛大綱」への提言内容をまとめ、その中には、国防軍設置や集団的自衛権の行使に加え、敵基地攻撃能力の保有など、今の日本国憲法のもとでは許されない内容も盛り込まれているということです。自民党の「日本国憲法改正案」の第九条の1ではその第1項で「戦争を放棄し、武力による威嚇及び武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては用いない」としながら、第九条の2では、「我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全を確保するため、総理大臣を最高指揮官とする国防軍を保持する」と明示しています。※「新防衛大綱」は、年内に発表される見通しなのですが、自民党としては、それに間に合うように、「日本国憲法」を変えるつもりなのでしょうか。
矢の平被災協が役員会ひらく
4月15日、矢の平被被災協では役員会を開き、2012年度の決算報告と2013年度の予算案が提案され、いずれも承認されました。このあと、今年度の長崎被災協の活動方針の概要と国家補償の被爆者援護法の内容について田中重光矢の平被災協会長と柿田長崎被災協事務局次長が説明、討議しました。また、二世の会の結成を歓迎し、被爆体験の継承と二世の医療制度の充実をめざし、力を合わせてがんばろうという意見が出されました。(柿田富美枝)
これが自民党の日本国憲法「改正」案 ◇ その3
日本国憲法 | 自民党憲法改正案 |
第12第21条 集会、結社、及び言論出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。 第24条 婚姻は、両性の合意のみに基づいて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。 第28条 勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利は、これを保障する。 第13条 (以下次号) |
第21条 第21条の2 第24条 第28条 (以下次号) |
長崎被災協4月のうごき
2日 |
須磨子忌(原爆症に苦しみながらも、原爆への憤りを詩で表現した福田須磨子の命日。74年に死去。原爆公園の東側の記念碑前で毎年集会が開.かれます) (谷ロ、柿田) |
11日 |
新聞『被団協』発送作業 |
14日 |
自治体研究所準備会総会 (山田) |
17日 |
被団協代表理事会 (谷口、柿田)
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19日 | 被災協相談員の会 |
27日 | 二世の会総会 (谷口.柿田) 健康友の会の総会で挨拶 (山田) |