2018年9月18日発行の新聞『被団協』419号の内容をご紹介します。
グレテス国連事務総長、 被爆者5団体と懇談
被爆地長崎を初めて訪問した国連のアントニオ・グレテス事務総長は 8 月 8 日、ニュー長崎ホテルで被爆者 5 団体代表、田中熙巳・日本被団協代表委員、広島被爆者代表と懇談しました。被爆者の話を聞いたグレテス 事務総長は「皆さんの言葉を聞くと謙虚な気持ちになります。連帯するために長崎に来ました。同じ悲劇を起こしてはならない。一緒に世界へメッセージを伝えていきます。」と話されました。
私も「日本政府が核兵器禁止条約に参加し、また核兵器保有国と「核の傘」の政府が条約に参加してくれることを心待ちにしています。国連と一緒に頑張っていきたい。」と話しました。
(会長・田中 重光)
長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典
73 年目の式典の特徴は国連のグレテス事務総長が 初めて参列されたことです。
式典での挨拶は「原爆という大惨事の焼け跡から被爆者の方々は人類全体のために自らの声をあげてくれました。私たちはその声に耳を傾けなければなりません。」
「平和とは、抽象的な概 念ではなく、偶然に実現するのでもありません。平和は 人々が日々、具体的に感じるものであり、努力と連帯、 思いやりや尊敬によって築かれるものです。」
「私たち は皆で、この長崎を核兵器による惨害で苦しんだ地球 最後の場所にするよう決意しましょう。」と結ばれました。 (会長・田中重光)
被爆者5団体、政府への要請
国連事務総長との懇談では輪になり、膝を交えて話をしましたが、毎年 8 月 9 日の政府要請では総理と被爆者団体代表との距離は遠く、同じテーブルに着いていても、はるか数メートル先です。
安倍総理は誇らしげに「8 回も来崎しました。」と話されましたが、毎年、被爆者団体への総理の回答は同じ内容で、被爆者の要望に正面から答えていません。
「被爆体験者」についても来年度は「脂質異常症」を検討するという1項のみであり、被爆地是正については 「科学的知見が認められない」という、冷たいものでした。 帰る際に握手をするのですが、そのときに首相に「戦後処理問題は首相の政治的判断で解決してください。」 と話しましたが、回答なし。
河野外相には「トランプ大統領の核態勢の見直しに ついて、世界で一番早く『高く評価する』とコメント発表は戦争被爆国として、いかがなものでしょうか。」の質問に対し、河野外相は「北朝鮮から日本を守るため」と回答しました。
加藤厚労相には「日本被団協の当面の要求は法律の改正は必要ないので、判決で出た病名は追加してください。」との要望に対し、「科学的知見に照らし合わせて」と答えました。 しかし、厚労省の「科学的知見」は司法の場で否定されたではありませんか。被爆者の問題を早期解決しようという思いは感じられませんでした。 (会長・田中重光)
谷口・前会長の精霊流し
8 月 15 日、谷口稜曄さんの精霊船を流す遺族の 方々のお手伝いに、被爆者と二世の会のメンバーやラ ラコープ職員などが参加しました。 谷口さんのご自宅から流し場までの 3 キロを3時間かけて歩きましたが、途中沿道では手を合わせる方の姿も見受けられました。
たくさんの人たちに見送られ、谷口さんもきっと喜んでいらっしゃると思います。 これからも谷口さんの思いを決して忘れることなく、しっかりと後世へとつないでいきたいと思います。 (理事・佐藤 直子)
日本被団協中央相談所委員会
九州ブロック相談事業講習会
12 月 8 日(土)、9 日(日)、長崎市新地町のワシント ンホテルにて、九州ブロック相談事業講習会を開催します。
九州各県被団協が持ち回りで毎年おこなってきました。これからは持ち回りについては無理をせず、できるところでの開催ということになり、今年は長崎が担当します。
150 名規模で、下記の日程です。
12 月 8 日(土)14 時~17 時
●開会、もくとう、主催者挨拶、来賓挨拶
●講演 日赤長崎原爆病院名誉院長 朝長万左男氏 演題 未定
●講義 「被爆者の相談活動について」中央相談所相談員
「日本被団協の運動について」日本被団協役員
●懇親会 18 時~19 時半
●二世交流会 20 時~21 時
12 月 9 日(日)午前 9 時~正午
●講話、質疑応答
●各県報告
●閉会
●参加費 15,000 円(宿泊、懇親会も含む) 懇親会のみ 8,500 円
講習のみ 1,000 円(2 日間)
●参加〆切①9 月 26 日(水)②11 月 19 日(月)
電話、FAX、メールでお願いします。
ヒバクシャ国際署名をすすめる長崎県民の会
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被爆体験の語り継ぐ会会員募集
被災協では毎年、修学旅行で長崎を訪れる 300 校 以上の学校へ被爆体験を語り、核兵器廃絶と生命の 大切さを子どもたちに伝える活動をおこなっています。長崎では一番古くから続けているもので、現在、13 名ほどの語り部の方たちで分担しています。ぜひご一緒に活動しませんか。
最初に被爆体験を 40 分間語る原稿を書いていただき、この秋、皆さんの証言活動を見学・学習し、春から実際に活動していただければと考えています。被災協へお電話ください。
TEL:095-844-0958
サポーター制度について
これから被災協では、さまざまなお手伝いをしよう というボランティアの方を募集し、サポーター制度を 作りたいと考えています。 どのような制度にしたら良いのか、理事会でも話し 合い、準備しているところです。 皆さんの中で具体的にお手伝いがほしい方、こん なことをしてほしいなどのご意見をお寄せください。
TEL:095-844-0958 FAX:095-847-9135
8月の活動報告
4 日(土)アートプロジェクト 2018
5 日(日)新英語教育研究会大会シンポジウム(横山)
6 日(月)全国原爆症弁護団・支援会議(柿田)
8 日(水)日生協・虹のひろば(田中、柿田)
連合平和ナガサキ集会(道下)
全マスコミフォーラム(横山)
9 日(木)献花式(二世の会・長崎、諫早)
東友会、葛友会慰霊式(田中)
原爆犠牲者追悼平和祈念式典、政府要請(田中、柿田)
原水爆禁止世界大会(大塚、森内)
10 日(金)新聞発送
13 日(月)~16 日(金)事務所盆休み
15 日(木)不戦のつどい、谷口稜曄さん精霊船流し
20 日(月)三役会議
22 日(水)署名事務局会議
23 日(木)本田・保険医協会会長来訪「映画支援する会」
26 日(日)街頭宣伝、西陵高校新聞部取材(田中、森内)
27 日(月)三役会
30 日(木)被爆体験を語り継ぐ会、第 3 回理事会
9月の予定
8 日(土)二世の会・長崎「家族証言」学習会
9 日(日)県 9 条の会
11 日(火)~12 日(水)日本被団協代表者会議
12 日(水)新聞発送
18 日(火)安保法違憲訴訟
19 日(水)ノーモアヒバクシャ訴訟口頭弁論 13 時
21 日(金)署名事務局会議