2022 年 4 月 9 日発行の新聞『被団協』462 号の内容をご紹介します。

九州ブロック被爆者相談事業講習会

3 月 19 日(土) 13 時より、福岡市の福岡県教育会館で日本被団協中央相談所・九州ブロック相談事業講習会が開催されました。
2019 年 11 月の熊本県での開催以来 3 年ぶりとなり、九州各県より約 30 名、長崎からは被爆者 4 名と二世3 名、事務局 2 名の計 9 名が参加、学習と交流を深めました。
日本被団協代表委員でもある田中重光会長より被爆体験と日本被団協の運動の 66 年の歴史を講演。
中央相談所相談員の原玲子さんより、高齢化する被爆者が医療や介護サービスでの様々な制度活用による支援について講演されました。
医療、介護に関する必要な情報を被爆者や家族に届けることの大切さを学ぶことが出来ました。

(事務局次長・中元英貴)

〈参加者よりの感想〉
長崎被災協の田中会長の被爆体験や原爆の心的影響、遺伝的影響等のお話は、とても私の心に響きました。
主に女性や子ども、そして、老人が犠牲になった原爆は、正に、人体実験と言っていいような事だったと私も思います。
二度とこのような惨禍を起こさない事に、つながる行動をしていきたいと思いました。
また、九州各県の活動の現状も知る機会となりました。
活動の継承の難しさを実感し、今後の重要な課題を、共有できたのではないかと思います。
そして、医療と介護問題については、被爆者の父が80歳ですので、今後の私に関する問題でもありました。
訪問治療、訪問看護の利点やケアマネージャーとの関係の大切さ、被爆者への国からの補助のあり方等、こと細かくご教授いただき、とても有り難く思いました。
今回、顔を合わせての集い合い話し合う事の大切さを改めて感じました。

(二世の会・諫早事務局長/大宮美喜夫)


長崎被爆者 5 団体声明

3 月 25 日、5つの被爆者団体の代表はロシアのウクライナ侵攻に断固反対するとともに、これに便乗する自民・維新の会の一部より出ている「米国の核兵器を同盟国で共有する「核共有」を日本でも議論すべき」だという政策を糾弾する声明を発表致しました。

田中会長は、「核兵器を使おうとする危険がせまってきている状況の中で安倍元首相、維新の会代表の核共有の発言は戦争被爆国として断じて許されないと思う。攻撃される危険度も増す。核廃絶をするという以外にはない。政府に核兵器禁止条約に批准してほしい。」と訴えました。


長崎被災協第 3 回理事会

昨年 10 月以来となる理事会が 3 月 31 日(木) 13 時 30 分から 15 時 30 分まで被災協二階会議室にて理事 11 名と監事 1 名の出席で開催されました。
議題は 2021 年度の事業報告と決算、2022 年度の事業計画と予算案をはじめ、今後大事な課題となる「結成 66 周年のつどい」「被災協の今後の財政」「被爆者の店テナント」のそれぞれに理事会メンバー中心にプロジェクトチームをつくり、課題を進めていくことについて論議され、承認されました。
今後各チームで検討を進めていきます。
また、長崎原爆青年乙女の会、被団協新聞に掲載されていた 4 コマ漫画「おり鶴さん」書籍化、二世の会から長崎、諫早、大村、相談所、矢の平支部よりそれぞれの活動などについて報告がありました。


一人暮らし被爆者訪問

3 月 25 日、壱岐市で一人暮らしをされている被爆者の方を、現地にお住いの被爆二世の会の会員でもある米倉清さんにご案内役をお願いし横山副会長、中川原相談所長とで訪問。
日常の暮らしぶりなどについて、お伺いしました。
耳がご不自由で会話が大変でしたが、とても明るい方でした。
帰省されていた娘さんが外出先から帰られ、詳しく様子を聞くことが出来ました。
爆心地から 0.8 kmの浦上駅付近で被爆、一家全滅の中奇跡的に助かり、壱岐に戻り祖父母と暮らし、その後結婚し 4 人の娘を授かったそうです。
現在は週一回のヘルパー(掃除)とディサービスをご利用され、福岡在住の娘さんたちが分担しての支援もあり生活されておられます。
今後は主治医やケアマネージャーとも連携を強めていく必要がありそうです。
ご本人は、誰かが訪ねて来られることを楽しみにされているそうで、名残惜しい別れとなりました。
米倉さんへは事前準備から、現地でのご案内まで大変お世話になりました。

壱岐市役所を訪問、副市長(前列左)と懇談いたしました。


被災協結成 66 周年のつどい

6 月 25 日(土) 11 時から 14 時 サンプリエール 開催予定
※新型コロナウイルス感染状況で変更となる場合があります。


日本被団協二世委員会

日本被団協では 6 月の総会開催に向け、現在、起草委員会で 2022 年度活動方針案が論議されています。
日本被団協二世委員会では、この方針の中に二世、三世の運動をどのように反映させるのか話し合ってきました。
「日本被団協の運動、歴史を学び、日本被団協、全国被団協とともに行動し、運動と被爆の実相の継承に努めること。原爆の被害に国家補償を求め、戦争に反対し、日本国憲法を守るとともに核兵器廃絶をめざしていく」「『全国被爆二世調査報告書』を学び、普及し、医療機関などと懇談会をもつなど、被爆二世のかかえる問題を広く社会に訴えること。被爆者に準じた援護施策を国に求め、特に医療保障とがん検診の実施を国に働きかけて早期の実現をめざすこと」などを提案しています。

(二世委員・柿田富美枝)


被爆二世健診が始まりました!!

申込期間
令和 4 年 4 月 1 日(金)から令和 5 年 2 月 10 日(金)まで
受診期間
令和 4 年 4 月 4 日(月)から令和 5 年 2 月 28 日(火)まで

希望すれば多発性骨髄腫検査が受けられます。
被爆者の運動でできた二世健診です。
より良い内容にしていくためにも、ぜひ受診して下さい。

お問合せ先
長崎市原対部援護課 095-829-1149
長崎県被爆者援護課 095-895-2475
長崎被災協     095-844-0958


3 月の事務局日誌

6 日(日) ロシアのウクライナ武力侵攻に抗議する緊急長崎集会
二世の会長崎第 5 回理事会
7 日(月) 日本被団協起草委員会(オンライン/田中)
医福懇会議(オンライン/柿田)
8 日(火) 被災協第 18 回事務局会議
9 日(水) 新聞発送・日本被団協中央相談所委員会(横山)
11 日(金) 日本被団協二世委員会(オンライン/柿田)
15 日(火) 平和推進協会運営委員会(田中)
17 日(木) 被爆者 5 団体・核兵器禁止条約の会事務局会議
19 日(土) 日本被団協九州ブロック相談事業講習会(福岡)
24 日(木) 日本被団協起草委員会(オンライン/田中)
日本被団協記憶遺産会議(オンライン/柿田)
被災協第 19 回事務局会議
25 日(金) 被爆者 5 団体声明発表 記者会見
独居被爆者訪問・壱岐(横山、中川原)
26 日(土) 健友会評議員会(柿田)
29 日(火) 独居被爆者訪問・佐世保(横山、中川原)
31 日(木) 三役会議・第 3 回理事会

 

4 月の予定

2 日(土) 須磨子忌
5 日(火) 核兵器禁止条約の会 事務局会議
11 日(月) 新聞発送作業・事務局会議
13 日(水) 日本被団協代表理事会