2022 年 5 月 9 日発行の新聞『被団協』463 号の内容をご紹介します。

長崎原爆青年乙女の会記念碑建立 26 周年のつどい開催

1956 年 5 月 3 日、長崎で初めての被爆者組織として誕生した長崎原爆青年乙女の会。
会員たちは国内外で被爆の実相を話し、核兵器廃絶を訴えてきました。
被爆 50 年と会結成 40 年の 1995 年に「平和の願いを後世へ」の記念碑を原爆資料館前の桜の木々の中に建立しました。
この間旅立っていった多くの会員、後世へ遺志を受け継いでいこうと 5 月 4 日にこのつどいが開かれました。

◆濱谷正晴先生の講演◆
つどいの前段には、青年乙女の会の会員の聞き取り調査を行い、運動を支えてこられた一橋大学名誉教授 濱谷正晴先生の講演が開催されました。
講演は、被爆後 10 年被爆者に援護政策がない苦しい中、青年乙女の会の結成の経緯と果たした役割を結成の中心となった堺屋照子さんたち先人たちの活動から振り返りました。
参加者は改めて被爆者運動の「源流」を学びました。
濱谷先生は被災協と交流が深く、被災協 75 年記念誌『平和を』等でも寄稿いただきました。

◆記念碑前でのつどい◆

15 時 30 分より記念碑前でつどいを行いました。
小峰会長は、「私たちは世界中で被爆の実相を語り、核廃絶を訴えてきた。若い世代にこの運動を担ってほしい。」と挨拶しました。
碑の横には核兵器廃絶が実現されたときに開けるカプセルが入っていますが、会員たちは「元気なうちにカプセルを開ける日が来ることを願っている。」と訴えています。

小峰会長あいさつ

花束・折り鶴奉納

会員の体験朗読


第 47 回福田須磨子忌の集い

戦争反対・核廃絶を願い、多くの詩や作品を残された福田須磨子さんの命日の 4 月 2 日(土)、被爆者や被爆二世や高校生など 約 50 人が参加し、平和への思いを新たにしました。
被災協の理事でもあった福田須磨子さんは 23 歳で被爆、家族を原爆に奪われ、戦後も生活苦や病気と必死に闘いながら、”石の像は食えぬし腹の足しにならぬ“と被爆後 10 年、病や暮らしに苦しむ被爆者の気持ちを代弁した「ひとりごと」という詩は大きな反響を呼びました。
黙祷の後に高校生による詩の朗読や歌の披露、参加者による献花の後、スピーチに立った田中会長は、「本来なら、核兵器や戦争はなくなりましたよという報告をしなければならないのに申し訳ない。ロシアの蛮行は決して許してはならないし、日本で核共有や核武装の政治家発言を許す今の状態が被爆者として恐ろしい。」と発言しました。

質問)戦争をどう受け止めておられますか?
⇒戦争は絶対に許すことのできない犯罪と思っています。
何人といえども人を殺す権利はない、というのが基本的理念で、戦争とはおびただしい集団と集団の虐殺行為に過ぎない、としか思えません。
福田須磨子… 1973 年「長崎の証言」ゼミの質問に答えて


核兵器禁止条約の会・長崎 結成へ

4 月 28 日(木) 13 時 30 分より、被災協 2 階会議室で記者会見が行われ、「核兵器禁止条約の会・長崎」が 5 月 28 日に結成集会を開くことを決め、趣旨に賛同する団体・個人に広く参加を呼びかけることが発表されました。
共同代表の一人 田中会長は、「禁止条約の出来たことで生きていてよかったと思ったが、ロシアの侵攻で暴力により他国を支配し、核兵器の使用も辞さないという恐ろしい時代になってしまった。核兵器廃絶は全世界の願い、皆さんとともに運動し継承していきたい。」と発言しました。


米核実験に抗議( 4 / 24 )座り込み

アメリカが昨年の 6 月と 9 月に臨界前核実験をしていたことに対し、「核実験に抗議する長崎市民の会」として抗議の座り込みを行いました。
会では 1974 年から「いかなる国の、いかなる核実験」にも抗議を行っています。
参加した約 40 名は、11 時 2 分に黙とうをした後、被爆者や高校生たちから発言があり、代表の山川さんは「核廃絶を目指す私たちが『正気』で核にしがみつくことが『狂気』」と発言され、狂気に負けないよう声を上げ続けよう」と呼びかけました。
会より、抗議と要請がアメリカ大使館へ送られています。


被爆体験を語り継ぐ会 講師打合せ会議

春から初夏の修学旅行シーズンを迎え、被爆体験講話を行う講師の打合せ会議を行いました。
5 ~ 7 月で現在約 80 件もの講話申込があり、昨年・一昨年は新型コロナウイルスの影響でほぼ 0 件でしたので、久々の春から初夏での講話となります。
また、新たな講師として増川雅一さんが加わりました。
4 歳で被爆され、NBCを退職後、ピースミュージアムの運営やピースボートに乗船されるなど多くの体験をされています。
講話日程の割振りをした後、意見交流を行いましたが、4 月に講話を行った講師から、ウクライナの戦争で子どもたちの聴く姿勢が違ってきたとの感想、また原発の問題、学校教育の問題など活発な意見が出されました。


被爆二世の会・諫早 総会

被爆二世の会・諫早では 4 月 9 日(土)19 時より令和 4 年度の総会が開催されました。
2012 年に会長、事務局長の体制を整え 10 年になり、小学校での平和学習や原爆で亡くなった方の火葬場でもあった百日紅公園の清掃活動など継続的に行っていますが、長引くコロナ禍で制限されてしまい、思うように活動を行えない状況でもあります。
総会は黙祷の後、昨年度の活動経過報告と会計収支報告、監査報告、本年度の事業計画案と収支予算案について討議され、全議案が承認可決されました。
本年は 6 月 5 日に第 12 回目となる百日紅公園(旧火葬場)清掃活動を実施する予定です。


被災協結成66周年のつどい

7 月 23 日(土) 11 時から 14 時 サンプリエール 開催予定
※先月号で案内した 6 月 25 日の開催予定は延期となりました。


4 月の事務局日誌

2 日(土) 第 47 回福田須磨子忌の集い
5 日(火) 第 1 回核兵器禁止条約の会・長崎事務局会議
9 日(土) 「被爆二世の会・諫早」総会
10 日(日) 「被爆二世の会・長崎」理事会
11 日(月) 新聞発送作業、「核兵器禁止条約の会・長崎」準備会
13 日(水) 日本被団協代表理事会(田中、横山)
15 日(金) 被爆体験を語り継ぐ会 講師打合せ会議
結成 66 周年のつどい第 1 回会議
17 日(日) 被爆者の店テナント第 1 回会議
26 日(火) 九州ブロック代表者会議(田中、横山)

 

5 月の予定

4 日(水) 長崎青年原爆乙女の会記念碑建立 26 周年のつどい
7 日(土) 平和宣言文・起草委員会(田中、佐藤直子)
8 日(日) 三役会、第 4 回理事会、被災協財政第 1 回会議
10 日(火) 新聞発送作業
11 日(水) 長崎被爆地域拡大協議会定期総会(中川原)
12 日(木) 第 2 回核兵器禁止条約の会・長崎事務局会議
28 日(土) 核兵器禁止条約の会・長崎結成集会