2013年4月9日発行の新聞『被団協』354号の内容をご紹介します。

アメリカ、またも核実験
被爆者5団体、直ちに抗議文を送付
「市民の会」は1時問の座り込み

 

 3月12日、アメリカ政府(エネルギー省傘下の核安全保障局)は、昨年10月から12月にかけて、2度に渡って核実験を行ったと発表しました。
この報道に長崎の被爆者5団体(長崎被災協、長崎遺族会、長崎原爆被爆者手帳友の会、長崎原爆被爆者手帳友愛会、長崎県平和運動センター被爆連)は、13日、合同で記者会見を行い、抗議文を発表しました。
なお、13日は日本被団協の九州ブロック代表者会議が福岡市で開かれ、会長・事務局長はその会議へ出席したため記者会見には参加できませんでしたが、抗議文については事前に文案作成に参加、名前を連ねました。

被団協も抗議文を送付
日本被団協も、3月14日、「核兵器に使用を前提とした実験をつづけ自国の核兵器を維持する姿勢を変えていないことに、強い怒りをもって抗議する」という抗議文をオバマ大統領へ送付しました。

 「市民の会」は17日に抗議の座り込み
「核実験に抗議する長崎市民の会」は、このアメリカの核実験に対し、3月17日午前11時から1時間の座り込みを行って抗議の意思を表明するとともに、抗議文を採択しました。なお、「市民の会」の座り込みは、今回で396回目と報告されました。


新年度の予算・課題など決まる
理事会・評議員会

 

 新しい年度のとりくみについて協議する2012年度最後の理事会と評議員会は、3月29日午後2時から長崎被災協2階会議室で開催されました。会議では、まず柿田事務局次長が、一般財団法人への移行についいて報告、ついで本年度決算案、新年度の予算案について、柿田事務局次長と山田事務局長が提案、承認されました。
ついで山田事務局長が9項目にわたって、4月以降の運動の課題について提案しました。山田事務局長は、「憲法を変える」といって登場した安倍政権だけに、憲法問題は私たちの運動にとつても重要な課題と指摘し、また、「原爆被害への国の償いを!」の要求は堅持しつつも、厚生労働省の不当な原爆症認定審査についても放置できないと、新たな構想のもとでの取り組みを提起し、決定しました。


2世の会が「原爆と人間」展にとりくみました。
被災協 二世の会・長崎 会長 佐藤 直子

 私たち『長崎被災協 被爆二世の会・長崎』は、3月23日の2日間にわたって、長崎原爆資料館に隣接する長崎市平野町の国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館の交流ラウンジをお借りし、日本被団協が制作したヒロシマ・ナガサキ「原爆と人間」写真パネル展を開きました。
私たちの会は、昨年5月に発足し、現在会員60名を超えました。これまでは、平和祈念式典や不戦のつどい、核実験への抗議の座り込み、平和大行進、「核兵器なくせ」の署名運動などに参加し、被災協の被爆者の方々と一緒になって活動してきました。

今回のパネル展は、私たち二世の会のメンバーで企画・運営し、会として市民に向けて初めて活動をアピールする場となりました。この日を選んだのは、3月4・5日にノルウェーのオスロで「核兵器の非人道的結果に関する国際会議」が開かれることをうけて、被爆地長崎からも「核兵器廃絶」と「世界平和」を訴えようと考えたからでした。

展示会場へは、2日間でおよそ200名の市民や観光客の皆さん方にお越し頂き、盛況のうちに終了することができました。展示をご覧になった方々からは、「写真を間近で見られる上、説明がついていてとてもわかりやすかった」という感想をたくさん頂きました。長崎には多くの外国人観光客の方々もいらっしゃるので、次回からは英語の説明文も添付しようと思います。

今回は、パネルの展示だけではなく、両日とも、午後1蒔から「ナガサキの少年少女たち」「人間を返せ」の映写会を行い、午後2時から1時間、被爆者による被爆体験講話の時間を設けました。前もって、近所のいくつかの学童施設へも声をかけ、およそ60名の子供たちに貴重な被爆体験を聞いてもらいました。
後日、たくさんの感想文を届けて頂きましたが、子供らしい純粋な気持ちが現れていて、とても感動しましたので、その一部をご紹介します。

○「広島、長崎いがい、アメリカにおちたら、いやなきもちになるでしょう。自分がされたくないことは、人はやってはいけないと思います。だから、げんばくは、いや。いまのまま、へいわをつづけたいです。」 【小学2年生】

○「今回、ひばく体けんこう話を聞いて、昔せんそうしていた時代は、亡くなった人が多かったんだとあらためて思いました。さい初(映写会)のえいぞうは、友だちに「見てはいけないものを見た」といったけど、昔の人はたくさんそういう人をみたんだなと思って、見てはいけない物を見たんだと思って見てはいけない物を見たと言った自分は、わるいことをしたなと思いました。今回の話は、じゅぎょうとかに、やくにたったらいいなと思いました。」【小学3年生】

このように、子供たちに少しでも原爆の怖さ・実相を知ってもらい、平和の大切さをわかってもらえただけでも、この写真パネル展を開いた意味があつたと実感しました。
今後も、いろんな場所で定期的に写真パネル展を開いていこうと思います。

 



これが自民党の日本国憲法「改正」案 ◇ その2

日本国憲法 自民党憲法改正案

第12条
この憲法が国民に保証する自由及び権利は、国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない。又、国民は、これを濫用してはならないのであって、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負う。

第13条
すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法及び国政の上で、最大の尊重を必要とする。

(以下次号)

第9条の2(前号の続き)
4 前2項に定めるもののほか、国防軍の組織、統制及び機密の保持に関する事項は、法律で定める。
5 国防軍に属する軍人その他の公務員がその職務の実施に伴う罪又は国防軍の機密に関する罪を犯した場合の裁判を行うため、法律の定めるところにより、国防軍に裁判所を置く。この場合においては、被告人が裁判所へ上訴する権利は保証されなければならない。第9条の3
国は、主権と独立を守るため、国民と協力して、領土、領海及び領空を保全し、その資源を確保しなければならない。第12条
この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の普段の努力により、保持され  なければならない。国民はこれを乱用してはならず、自由及び権利には責任及び義務が  伴うことを自覚し、常に公益及び公の秩序に反してはならない。

第14条
全て国民は、人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公益及び公の秩序に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大限に尊重されなければならない。

(以下次号)

 


自民党の憲法改正案に目を通そう

 私たちは昨年5月の定例評議員会で、「私たちは日本国憲法を守り、核兵器の廃絶をめざします。」と誓い合いました。その憲法が手直しされようとしています。

 どこがどう変えられようとしているのか、自民党の「案」は、自民党の「一間一答」とともに、事務局にありますので、ぜひ目を通してください。なお、自由民主党のホームページには掲載されていて、自由にプリントすることが出来ます。(長崎被災協・事務局)



長崎被災協3月のうごき

2日 ニ世の会が原爆死没者追悼平和祈念館で原爆写真パネル展開催(3日まで)
5日 県による監査
7日 原爆症認定異義申し立ての意見陳述
新聞「被団協」発送作業
10日 「さよなら原発ナガサキ集会」平和会館
12日 アメリカ政府が、昨年10月から12月にかけて2回にわたって核実験と発表
平和推進協会継承部総会 (谷口)
13日 福岡市で日本被団協九州ブロック代表者会議
(谷口、山田、柿田)
14日 平和推進協会財務部会 (谷口)
医療と福祉を考える懇談会・学習会 (柿田)
17日 アメリカの核実験に抗議して「市民の会」が平和公園で抗議の座り込み
20日 地域・自治体研究所設立準備会 (山田)
21日 「被爆体験を語り継ぐ会」が分担打ち合わせ
平和推進協会理事会(谷口)
23日 地球市民集会実行委員会 (谷口・山田)
29日 理事会・評議員会