2023 年 8 月 9 日発行の新聞『被団協』478 号の内容をご紹介します。

長崎被災協 第2回理事会

■7月21日(金)13:30~15:30 被災協講堂で開催

被災協の被爆80年に向けた活動について様々な意見が出されました。
①核抑止論について
②被爆の実相を語り継いでいくこと
③被災協をどのように継続していくのか
④財政をどうしていくのか
⑤世界に向けての発信、広報活動が重要な側面であること
プロジェクトチームを作り、話し合っていくことが確認されました。9月20日(水)第3回理事会で論議を深めていきます。

理事会終了後、長崎ユース代表団の大学生2名が訪れました。7月末の国連NPT再検討会議準備委員会に参加するため、被爆者のメッセージを記録し、各国にアピールしたいと取材されました。


核兵器禁止条約の会・長崎 日本政府に参加を迫る

核兵器禁止条約採択6周年のつどい

■7月7日(金)10:30~11:30 被災協講堂 約90人参加

核兵器禁止条約が国連で採択され6年となるこの日、「核兵器禁止条約の会・長崎」は長崎被災協講堂で集会を開き、核兵器廃絶と日本政府の署名・批准を訴えました。
川野共同代表は「日本政府は直ちに核兵器禁止条約に加わり、核廃絶の先頭に立つよう」訴えました。
俳優の斉藤とも子さんが福田須磨子さんの詩「亡き父母に」「原爆を作る人々に」を朗読、最後に「日本政府は、軍事大国の道を突き進むのではなく、平和憲法を生かした外交を行い、核兵器禁止条約に参加する道を追求してください。」という集会アピールを採択し、核廃絶への決意を新たにしました。


長崎原爆青年乙女の会 核兵器禁止条約採択6周年記念

斉藤とも子さん講演会 “被爆者と出会って”

■7月7日(金)14~16時 被災協講堂 約60人参加

俳優の斉藤とも子さんは広島で被爆した親子を描いた演劇「父と暮せば」(井上ひさし戯曲)の役作りで訪れた広島での被爆者との出会いをきっかけに被爆者と交流を重ね、被爆者の心を自分のものとして伝える表現活動を通して継承に取り組んでいます。⻑崎原爆⻘年⼄⼥の会では、今回、斉藤さんを長崎に招き、講演会を行い、約60名が参加されました。
斉藤さんは、ご自身の紹介の後、原爆小頭症の被爆者や家族らでつくる「きのこ会」と交流、被爆者との出会いが自分の人生を変え、勇気を与えてくれたことなどを話されました。


キューバの子ども達からの折り鶴 被災協へ

キューバでは、慢性的な物資不足にコロナ禍により、ミルクや医薬品などが不足しており、乳児・妊産婦死亡率の高まりが懸念されています。
大阪の大学で同じゼミを卒業したOB・OGが中心となってはじめたプロジェクト団体umimiruにより、キューバの母子を支援するマタニティセットお届けプロジェクトが実施され、今年の2月にキューバを訪問、物資を届けました。キューバのマタンサス州の小学校では平和を願い子どもたちが折った折り鶴を日本に送っていましたが昨今のコロナ禍で叶わなかったそうです。そこで預かった折り鶴を、広島の本川小学校と長崎の被災協に贈呈することとなり、中井咲穂さんと現地を訪れた川口愛莉さんが7月30日(日)に被災協を訪れ、田中会長に折り鶴を手渡しました。畠山さんからお預かりした谷口稜曄さんの紙芝居「赤い背中」を横山副会長からお二人にお渡ししました。また被爆者城臺美彌子さんの体験を録画してもらい、現地の子ども達に届けることとなりました。

左から中井さん、川口さん  折り鶴はキューバと日本の国旗をイメージ


浦上川緑地帯での花植え

7月22日(土)9:00より長崎被災協と二世の会・長崎共同事業の浦上川緑地帯の花植え活動が行われました。
この活動は、被災協元理事の池田早苗さん(故人)が浦上川で亡くなられた多くの方々への慰霊のために2014年から始めたものです。近くの南山高校生が約35人参加、富山被団協の二世4名も参加し、今回は過去最多の約70名の幅広い世代での参加となりました。今年は、マリーゴールドとポーチュラカの苗290株を植えました。8月9日には株も大きくなりきれいに花を咲かせると思います。


湯江小学校平和学習

被爆二世の会・諫早では、会員7名とボランティア2名で6月28日(水)10:00より諫早市立湯江小学校の体育館にて平和学習を行いました。
被爆2世の山下豊子さんが、9年前に亡くなった母親の被爆体験をもとに作った紙芝居を披露しました。
紙芝居では、長崎から運ばれてきた被爆者を救護した母親が、諫早市長田の小学校に設けられた救護所で被爆した人たちの救護を手伝った経験が語られています。紙芝居の最後に山下さんは「母は『罪もない人が簡単に殺されるのが戦争。絶対に反対しなさい』と言っていました」と話し、子どもたちに平和の大切さを訴えました。



被爆二世の会・長崎 原爆と人間パネル展


7月29日(土)被災協二階で行われた「原爆と人間」写真バネル展、海外からの旅行者も多く、昨年を大幅に上回る240名の来場者でした。
8名の若いボランティアの方の参加もあり、とても楽しいものになりました。受付、会場への案内や写真についての紹介など、素晴らしい活躍でした。来場者のアンケートには、「原爆についてもっと発信すべきだ。」等たくさんのご意見が寄せられました。


「被爆者の歩みを学ぼう」学習会

私の被爆体験と原爆報道 講師:舩山(ふなやま)忠(ただ)弘(ひろ)氏

7月15日(土)14~16時 被災協二階会議室22名参加

NBC長崎放送で被爆者の取材に取り組み、番組制作などを行ってこられた舩山忠弘さんを講師に迎え、自らの被爆体験、被爆者の取材でのエピソードについてお話しいただきました。ラジオ番組「被爆を語る」での取材で多くの被爆者と接し、林嘉代子さんの母である林津恵さんや秋月辰一郎さん、元会長小佐々八郎さん、元事務局長葉山利行さんなど多くの被爆者から影響を受けたそうです。戦争では真実が犠牲となる。マスメディアには人間の尊厳とはということに視点を置いた原爆報道を行ってほしいと述べられました。


谷口稜曄前会長 ラストメッセージ(2017年)

「今回、実際に核兵器禁止条約ができるということは、非常に喜ばしいことだと思います。次から次に『核兵器が必要だ』と言って持つ国が増えてきてますから、絶対に減らす努力をしていかなければいけない。残念ながら被爆国の日本政府が、これに賛成していません。
今後は、核兵器を持っていない国が、持っている国を包囲して、1日でも早く核兵器をなくす努力をしてもらいたい。そうしなければ、条約が決まっても、何も役に立たないということになります。
被爆者が一人もいなくなった時にどんな世界になっていくのか、それが一番怖い。
わが子のためにも、私たち生き残った被爆者が、さらに頑張らなければいけないと思っています。」


7 月の事務局日誌

7 日(金) 核兵器禁止条約採択6周年のつどい
長崎原爆青年乙女の会 斉藤とも子さん講演会
8 日(土) 平和宣言文起草委員会(田中、佐藤直)
10 日(月) 「西山進追悼展」打合せ  新聞発送
11 日(火) 日本被団協代表理事会(田中、横山/オンライン)
15 日(土) 「被爆者の歩みを学ぼう」第7回学習会
18 日(火) 「西山進追悼展」打合せ
21 日(金) 第2回理事会
22 日(土) 浦上川緑地帯花植え(被災協、二世の会・長崎)
保険医協会レセプション(田中)
29 日(土) 二世の会・長崎 原爆と人間写真パネル展
30 日(日) キューバからの折り鶴贈呈式(田中、横山、溝浦、城臺)
31 日(月) 「西山進追悼展」打合せ

 

8 月の予定

4 日(金)~
5 日(土)
 
原水爆禁止世界大会国際会議(広島/横山)
6 日(日) 広島原爆忌
平和行進終結集会(田中)
7 日(月) 原水爆禁止世界大会(長崎/田中) 新聞発送
生協連ピースアクション・被爆の証言(三田村)
8 日(火) 生協連ピースアクション・被爆の証言(田中安)・虹のひろば(田中)
女性のつどいin長崎(綿谷)
8 日(火)~
10 日(木)
西山進追悼展
9 日(水) 長崎原爆忌
二世の会・長崎 献花式
平和祈念式典(田中、森内、大宮、田中安、松尾幸祐)
被爆者4団体政府要請(田中、中元)
11 日(金) 二世の会・諫早,諫早被災協 原爆犠牲者慰霊式
23 日(水) 被爆体験を語り継ぐ会 講師打合せ会議
24 日(木) 禁止条約の会事務局会議