2023 年 9 月 9 日発行の新聞『被団協』479 号の内容をご紹介します。

被爆78年・8月9日をむかえて

新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが、5月8日から季節性インフルエンザなどと同じ「5類」に移行しての8月9日を迎えました。
様々な団体等での取り組みが予定されていましたが、台風接近により、日程も短縮・変更され、平和祈念式典も祈念像前での開催から屋内に変更、参加予定の被爆者や遺族の参加は叶いませんでした。被災協でも5件の講話が中止となりました。
8月7・8の両日に、日本生協連・長崎県生協連主催で行われた「ピースアクションINナガサキ」では、被爆の証言として田中安次郎さんが被爆体験を語り、平和の紙芝居を三田村静子さんが披露、全国の生協の組合員さんたちに核廃絶と平和の大切さを訴えました。虹のひろばでは田中会長が被爆体験と人類を滅亡から救うには核廃絶しかないと訴えました。横山副会長は、宮城県原水爆禁止協議会の皆さんに自らの被爆体験を語りました。
8月9日に行っている被爆者4団体から日本政府への要請については8月30日に首相官邸で行われ、政府に対し、広島と同様に被爆体験者を救済すること、「被爆者の援護に関する法律」への被爆二世、三世の適用、核兵器禁止条約への参加等を求めました。


西山進追悼展

おり鶴さん 漫画で描きつづけた被爆者の戦後

◆8月8日(火)~10日(木) 被災協二階会議室◆

被団協新聞で2021年まで40年余り約500回もの連載を行った4コマ漫画「おり鶴さん」原作者の西山進さんの追悼展が開催され、原画や油絵など53点の作品を展示いたしました。

あいにくの台風接近で多くの行事が中止となる中、被爆者や市民約50名が来場しました。
オープンセレモニーでは、長崎平和推進協会で被爆体験を受け継ぐ交流証言者の調仁美さんが、西山さんの原画による紙芝居「つたえてくださいあしたへ……」で西山さんの思いを伝え、来場者は見入っていました。

今回の追悼展の準備・運営には、西山進作品保存委員会、ナガサキピースミュージアム、二世の会・長崎はじめ、多くの皆様のご協力により開催することが出来ました。


諫早市被災協原爆慰霊祭

◆8月11日(金) 諫早市百日紅(さるすべり)公園◆

原爆で犠牲となった多くの人たちを火葬した場である諫早市の百日紅公園で、犠牲者を追悼する慰霊祭が諫早市原爆被災者協議会、長崎被災協・被爆二世の会・諫早の主催で行われ、約50名が参列しました。

被爆二世の会・諫早が6月9日に4年生に平和学習を行った諫早市の長田小学校から、初めて児童代表が参列しました。

4年生の児童代表は
「6月の被爆二世の会・諫早の皆さんからの平和学習で、原爆の怖さを知りました。戦争は、苦しみをたくさんの人に与えることも知りました。そして、長田地区で起こった戦争について教えていただき、長田国民学校での出来事を知りました。
私は、平和の世界を創って行くために、人の悪口を言ったり、暴力をふるったりせずに、優しく接し、誰とでも仲良くなれる自分になれるように頑張ります。」 と「平和への誓い」を読み上げました。

この後、市民や学童クラブの子どもたちが折った千羽鶴を、諫早市内の小学生から大学生までの代表4人が千羽鶴を奉納し、平和を願いました。


第82回 ナガサキ不戦の集い

■8月15日(火) 10時~11時
長崎市平野町「核廃絶人類不戦の碑」前

1981年12月8日、爆心地公園そばに「核廃絶人類不戦の碑」が建立されてから毎年、8月15日と12月8日に、この碑の前で「ナガサキ不戦の集い」が開かれています。今年も8月15日、暑さが厳しい中、被爆者や高校生、市民など約25人が集まり、国内外の戦争犠牲者を追悼しました。


被爆二世の会・長崎 献花式

被爆二世の会・長崎では、毎年8月9日に爆心地公園で献花式を行っていますが、今年は台風6号の影響により、8月11日に延期して行いました。原爆で犠牲になられた方々のご冥福を祈り、二世の会として核兵器のない世界を目指し、活動していくことを誓いました。

田中会長は、軍事費の大幅な増額で国民の命や暮らしが犠牲となっているとし、新しい戦前になっているのではないかと危機感を訴えました。
また昨年亡くなった長崎の証言の会の森口貢事務局長の二人のご遺族が父親の思いを後世に伝えていきたいと発言されました。

最後に活水高校の生徒たちが「戦争の悲惨さを風化させず、一人ひとりの尊い命が失われないような平和の世界の実現に向けて平和への思いを伝え続けることをここに誓います。」と平和の誓いを述べ、戦争・核兵器をなくし、平和な世界を実現させる決意を新たにしました。


被爆体験講話、今後は被爆二世も講師に

被爆体験を語り継ぐ会では、8月23日に講師打合せ会議を行い、秋の修学旅行シーズンの講話の割振りなどを行いました。
9月より12月まで約250件もの講話の予約が入っており、講師の高齢化などで実施が厳しい状況となることが予想され、将来を考え、被爆二世の講師を会のメンバーに加えることとしました。

当面は被爆者が中心で、二世講師は補完する形でスタートします。また二世講師は長崎平和推進協の家族証言者であることを条件としていきます。


講演会のご案内

長崎大学核兵器廃絶研究センター(RECNA)鈴木達治郎 副センター長を招いて

核兵器禁止条約の会・長崎では、核兵器禁止条約と現在の世界情勢等についての講演会を下記日時で行います。
どなたでもご参加いただけます。

■日時:
10月29日(日) 14:00~16:00予定
■場所:
長崎市立図書館 新興善メモリアルホール
(長崎市興善町1-1)

8 月の事務局日誌

4 日(金)~
5 日(土)
原水爆禁止世界大会国際会議(広島/横山)
6 日(日) 広島原爆忌
平和行進終結集会(田中)
7 日(月) 原水爆禁止世界大会(長崎/田中) 新聞発送
生協連ピースアクション・被爆の証言(三田村)
8 日(火) 生協連ピースアクション・被爆の証言(田中安)・虹のひろば(田中)
8 日(火)~
10 日(木)
西山進追悼展
9 日(水) 長崎原爆忌
11 日(金) 諫早市被災協原爆慰霊祭
二世の会・長崎 献花式
15 日(火) 第82回ナガサキ不戦の集い
23 日(水) 被爆体験を語り継ぐ会 講師打合せ会議
24 日(木) 禁止条約の会事務局会議
30 日(月) 被爆者4団体政府要請(田中)

 

9 月の予定

4 日(月) 三役会議
5 日(火) 被拡協事務局予備会議(田中)
7 日(木) 九州ブロック代表者会議(田中、横山、柿田)
14 日(木) 核兵器禁止条約の会・長崎 事務局会議
16 日(土) 福岡俘虜収容所第2分所 犠牲者追悼・平和祈念式(田中、中元)
20 日(水) 長崎被災協 第3回理事会
21 日(木) 被拡協事務局会議
26 日(火) 日本被団協代表理事会(田中、横山)
27 日(水) 日本被団協代表理事会(田中、横山)
中央相談所委員会(横山)