2008年5月9日発行の新聞『被団協』295号の内容をご紹介します。
◇原爆症認定審査◇どうなる?積極認定以外の審査
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審査数 |
認定数 |
却下数 |
保留数 |
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第1部会 消化器系以外のガン |
57 | 53 | 0 | 4 |
第2部会 消化器系ガン | 79 | 74 | 0 | 5 |
第3部会 白血病 | 5 | 5 | 0 | 0 |
〃 副甲状腺機能亢進症 | 0 | 0 | 0 | 0 |
第4部会 白内障 | 3 | 3 | 0 | 0 |
〃 心筋梗塞 | 2 | 0 | 0 | 2 |
合 計 | 146 | 135 | 0 | 11 |
②異議申し立てについての審査結果
審査数 |
認定数 |
却下数 |
保留数 |
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第1部会 消化器系以外のガン | 7 | 7 | 0 | 0 |
第2部会 消化器系ガン | 7 | 7 | 0 | 0 |
合 計 |
14 | 14 | 0 | 0 |
※第3部会、第4部会では、異議申し立てについての審査はなかった。
◇原爆症認定制度の改善へ◇
署名4.2万人を超える
原爆症認定の抜本的な改善を求める全国100万人署名運動は、長崎でも、それぞれの団体での組織的な取り組みとあわせ、 毎週土曜日には長崎市の繁華街で街頭署名運動をくりひろげ、4月23日現在、4万2千をこえました。
団体のベストテンは次の通り。
①原水禁(22,446)
②連合長崎(4,949)
③原水協(4,714)
④ 手帳友の会(1,942)
⑤ララコープ(1,583)
⑥被災協(1,419)
⑦保険医協会(1,030)
⑧建交労(770)
⑨民医連(639)
⑩原告団(351)
( )内は署名数 長崎被災協第53回定例評議員会は、5月30日(金)午後2時から、長崎市岡町の長崎被災協講堂で開催されます。
今年度は、原爆症認定に政府が新しい方針をとり入れた こともあり、また後期高齢者医療制度のこともあるうえに、憲法問題についても新たな動きがみられそうな状況にあり、さらに法人についての法改正に伴う長崎被災協としての対応のこともあって、近年にない重要な会議となりそうです。
九州ブロック相談事業講習会 今年は沖縄で
毎年好評の秋の九州ブロック相談事業講習会(日本被団協中央相談所主催)は、ことしは10月13日(月)から14日(火)まで沖縄でひらかれます。
会場兼宿舎は読谷村の沖縄残波ロイヤルホテル。
ことしは、問題のの多い後期高齢者医療制度が発足した年でもあり、また「新しい審査の方針」 の下での原爆症認定審査が始まったでもあるので、被爆者をめぐる重要な課題が山積しており、内容の濃い活発な講習会となりそうです。参加要項は追って連絡しますが、いまから参加のためのご準備をお願いします。
幕を閉じた巡回相談会
◇原因は県費の予算削減◇
1994年(平成6年)3月にはじまった県の委託事業としての県下巡回被爆者相談会は、2007年度(平成19 年度)で幕を閉じることになりました。
理由は県の財政上の都合ということです。
参加者は3千人を超えました。
当時の西彼杵郡三和町からはじまったこの巡回相談会は、 13年間に延べ111地区をまわり、会場に集った被爆者の数は3千名を超えました。最後の巡回相談会場となった大村市では、参加者は220名に達し、情報に接することの少ない被爆者の関心の大きさを示したのでした。
巡回相駁会はこんな内容でした。
巡回相談会では、まず、「人 間をかえせ」など「あの日」を思い起こさせる映画やビデオを上映し、その後その地域の医師に健康講話をお願いしました。地元の先生の話だけに、参加者は親しみを持って聞き入ったようでしたし、先生方もいろいろ工夫をされていました。そして被災協から被爆者をめぐる制度とその現状と課題について分かり易く 報告し、質問を受け、一旦閉会後、個別の相談に応じるという形がこの巡回相談会の一般的な進行でした。
市や町の職員も 参加しました。
参加したのは被爆者とその家族だけでなく、市や町の担当職員の方も、制度のことについても、またそれぞれの地域 での被爆者の抱える悩みなどについても参考になるということで、述べ9名の方が出席されました。
年 |
開催会場数 |
参加者 |
1994 | 4会場 | 205名 |
1995 | 4会場 | 273名 |
1996 | 10会場 | 333名 |
1997 | 10会場 | 136名 |
1998 | 10会場 | 217名 |
1999 | 10会場 | 233名 |
2000 | 10会場 | 215名 |
2001 | 10会場 | 101名 |
2002 | 10会場 | 260名 |
2003 | 9会場 | 169名 |
2004 | 6会場 | 352名 |
2005 | 6会場 | 109名 |
2006 | 6会場 | 111名 |
2007 | 6会場 | 315名 |
合計 | 111会場 | 3,029名 |
支部・会のうごき
◇矢の平支部◇4月27日に役員会ひら
矢の平支部では、4月27日に役員会をひらき、今年度の課題について話し合いました。この会議には山田事務局長 1が出席し、原爆症認定をめぐる課題などこれからのとりくみについて報告しました。
◇諌早被災協◇ 中央相談所へ5万円を送金
中央相談所の募金の訴えに 積極的に応えようと、諌早被災協は会員へ独自のチラシを つくって配布し、集った募金5万円を中央相談所へ贈りました。
5月9日に総会を開催
諌早被災協は、今年度の総会を5月9日に開催、昨年度決算を承認するとともに本年度予算を原案通り決定、今年度も意気高く運動にとりくむことになりました。この総会に長崎被災協からは谷口会長と柿田事務局次長が出席、谷口会長があいさつ、柿田事務局次長が原爆症認定など当面の課題について報告しました。
=読書のコーナー=
封印されたヒロシマ・ナガサキ 著者 高橋博子
敗戦後、自らが投下した原爆によって生じた被害の深刻さに驚いたGHQが、海外特派員の広島、長崎への立ち入
りを禁止し、プレスコードを 敷いて徹底した報道規制を行ない、原爆被害の実態隠しをおこなったことは、よく知られています。しかしそれは、決して占領下だけのことではなく、例えばこの長崎でも、原爆症認定集団訴訟の法廷で国側代理人が、爆心地から600メートル程度の長崎医大付属病院で被爆した原告に対し、「当人はほとんど原爆の放射線を被曝しておらず、当人を原爆症と罷定することは非常織というほかはない」と主張するなど、アメリカ政府の意向を汲む日本政府によって、原爆の被害隠しはいまも続いています。著者は、アメリカの国立公文書館の資料を駆使し、一方でヒロシマ・ナガサキを封印し、同時にすすめられている核軍拡改策の実態を明らかにしています。(山田)
長崎被災協 4月のうごき
1日・相談員会議、原告のつどい
2日・福田須磨子忌 ・弁護団会議(柿田)
5日・集団訴訟街頭宣伝
8日・9条フェスタ実行委見会(山田)
9日・新聞『被団協』発送作業
10日・中央相談所理事会(横山)
12日・平和研究所特別許座・集団訴訟街頭宣伝
18日・全国原告団会議(山田)
19日・集団訴訟街頭宣伝 ・健康友の会総会(山田)
20日・地球市民集会実行委且会(山田)
21日・社会保険説明会(柿田)
22日・9条フェスタのとりくみ打ち合せ 23日・西岡由香さん出版祝賀会(山田)
25日・集団訴訟街頭宣伝
27日・矢の平支部総会(山田)