2015年5月9日発行の新聞『被団協』379号の内容をご紹介します。
地球規模に拡大した自衛隊の任務
日米同盟のグローバル化へ
「ガイドライン」18年ぶりの改定
4月28日の朝刊には、防衛協力 地球規模に』『日米同盟「より実効的にこ『ガイドライン18年ぶり改定へ』などの【見出し】が躍りました
(山田拓民)
ガイドラインとは・・・
ここで言われているガイドラインとは、正しくは『日米防衛協力のための指針』の略称で、日本が他の国に攻撃された場合などに、日本の自衛隊と米軍の役割分担を決めた文書で、今回は18年ぶりの改定といわれています。
専守防衛を捨てるのか
これまでは専守防衛を基本とする自衛隊に対する配慮があったものを、日本が集団的自衛権を行使することを織り込んだ改定となり、専守防衛を基本としでいた自衛隊のあり方が、いま、大幅に変わろうとしているのです。
地球全体を対象となる
自衛隊の役割
まず、新しい『指針』では、自衛隊と米軍の協力を地球規模に拡大し、平時から有事まで、「切れ目のない連携」が求められ、宇宙サイバー分野での情報も共有されます。
ついで、集団的自衛権行使を反映し、弾道ミサイルの迎撃や米艦船防護を例示して、新たな安全保障法制の核心部分を先取りしています。
また、沖縄県尖閣諸島を念頭に離島防衛への共同対処も明記しており、さらに、米軍が武力行使する際の日本との事前調整やアメリカの核抑止力保持、日米の調整機関の常設化も定められています。
日米同盟も全地球化
さらに、『新指針』では「アジア太平洋地域、およびこれを越え九地喊」の平和と安全に「主導的役割を果かすにと掲げ、「日米同盟のグローバルな性質」を強調、宇宙・サイバー分野での情報共有も盛り込んでいます。
全地球が自衛隊の対象に
平和・安全に重要な影響を与える事態二重要影響事態」とし、地理的には定めず、自衛隊の活動は日本周辺に限定せず、全世界が対象となることを明確にしています。こうしたことが、国民の目の届かないところで決まってしまって、よいはずはありません。
NPTへの思いをこめて
平和公園で座り込み
4月27日からのNPT再検討会議を前にして、世界各地から核兵器廃絶の思いを発で、「GLOBAL PEACE WAVE FROM NAGASAKI」と1字ずつ書かれたボードを掲げ、約40名が座り込みました。
この長崎の集会は、『長崎被災協』『核実験に抗議する長崎市民の会』『長崎の証言の会』
の3団体が主催したものですが、集会(座り込み)には、通りがかりの数人の観光客も飛び入りで参加しました。このなかにはオーストラリアからの旅行客もいて、お互いに励ましあいました。参加者は、『今回の再検討会議の一歩前進を切望し、私たちも核兵器の廃絶と平和な世界の実現に全力を尽くすことをここに表明する』という「声明」を発表して集会を閉じました。
5月3日、全国各地で憲法集会開く
長崎は勤福会館に500名
1947年5月3日に日本国憲法が施行されて68年目とな石今年の5月3日、各地で「日本国憲法を守ろう」という集会が開かれよしたが、報道によれば、横浜市西区の臨港パークで開かれた関東の集会には、民主・共産・社民・生活の四党の党首も出席、参加者は3万人に上ったということです。
この日、長崎市公会堂前広場に予定していた『ながさき九条フェスタ』という名の「憲法改悪を許すな」「平和憲法か守ろう」「戦争のできる国づくりを許すな」などを掲げた市集会は、あいにくの雨のため、急遽、会場を近くの「県勤労福祉会館」に移し、開会ました。集会には約500名が参加、それぞれに「平和憲法を守ろう」「戦争のできる国づくりを許すな」「力を合わせで戦争への加担を阻止しよう」などの発言が続き、「一人一人の対話の積み重ねが、これからの平和をつくる大きな
土台となることを確信していす」という『アピール』を採択して閉会しました。
この後、参加者は、市内の中心商店街を通るデモ行進を行い、市民へ「戦争反対」「平和を守ろう」などを呼びかけました。
戦争賛成派も集会(?)
5月4日付の『長崎新聞』によると、この日、「憲法を変えて戦争のできる国にしよう」というグループ(約30人)も、巾内のホテルに集まり、東京での集会の中継を視聴、「国と国民を守りぬくことが可能な憲法体制をつくり上げなければならない」との宣言文を採択したとのことです。
「被爆70年-被爆者からのメッセージ継承・警鐘…」
被災協と二世の会共催で実行委員会結成
4月12日には実行委員会の結成のつどいが開かれました。参加者50名が5~6人で班に分かれ、集会へのアイデアを出し合ったり、二世に被爆体験を語ったり交流を深めました。お互いにと
ても励まされたと、感想がありました。
初めて共同で取り組む集会とあって期待が寄せられています。
被爆70年集会
8月1日(土)午後2時~4時半
原爆資料館ホールにて被爆者、二・三世、市民、学生、子どもだちと平和の集いをおこないます。
ぜひ、ご家族でご参加ください!
2015年NPT再検討会議日本被団協要請団に参加して
谷口 稜嘩
4月23日に会長の谷口、理事の田中、事務局次長の柿田の3人で成田空港よりニューヨークへ飛び立ちました。
多くの皆さんのご協力によってニューヨーク行動に参加することができました。誠にありがとうございました。
特に日本生協連の皆さんには大変お世話になりました。
4月24日18時よりクーパーユニオン大学で開催されたNGOによる『核兵器のない平和で。公正な世界のための国際平和地球・会議』において、被爆体験を報告し、約4百名の参加者の拍手を受けました。
25日は日本生協連と日本被団協の代表団が一堂に会し、これからのニューヨーク行動を共同で頑張っていく決意をお互いに表明しました。
26日はNGO共同行動の集会、デモに参加しました。
27日はアルジャジーラーテレピ局でインタビューを受けました。
また国連本部ロビーでの原爆写真展会場で、松井・広島市長、アングラ・ケイン国連上級代表、佐野大使らと共にテープカットを行いました。
29日はラガーディアコミュニティカレッジ高校で神奈川の中村さん、福島さんと3人で証言を行い、学生たちは熱心に耳を傾けていました。
田中 重光
リセケネディケネディ日本人学校で証言活動を行いました。保護者と生徒合わせて60数名が参加し、埼玉の2人の証言の後、私は最初に原爆瓦の説明と爆心地付近の被爆前、被爆後の写真を見てらい、人間がどのようになりたいかを想像してくださいと話し、回覧してもらいました。
参加した保護者からは「直接、話が聞けて良かった。」「アメリカ以外の核保有国にもこのような話を広げてほしい。」「一番つらかったことは?」「アメリカをどう思っていますか?」「福島は?」など感想や質問がありました。
ルイス君(9歳)は、アメリカの子どもたらは原爆の被害について知らないので、子ども向けの本を書きたい、もっと話が聞きたいと、国連での原爆展会場に来て、母親と 一緒に谷口さんや、石川の西本さんたちにもインタビューしていました。
証言の後は、写真の説明をしたり、持参した折り紙で一緒に鶴を折ったりして、交流を深めました。
柿田 富美枝
25日、日本被団協代表団メンバーに外務省からの『非核特使』委嘱状が手渡されました。26日はニューヨーク 26日はニューヨークユニオンスクエアで開催されたNGOの共同行動集会に参加し、そのあと横断幕を
掲げてマンハッタンを1万人で平和行進しました。
被団協代表団はそれぞれ班ごとに分かれ、学校や教会等での証言、各国政府代表訪問などの活動を行いました。私は熊本の中山高光さんと27日に27日に「世界経済フォーラム」というNGOの国際機関の職員約40名にスライドの原爆写真等を見てもらいながらら証言を行いました。熱心に話を聞いてくれ、質問もたくさん出されました。
29日は「メリーマクドールーフレンズスクール」で中学2年生の生徒と先生、合わせて50名に話しました。ここでも私は母、谷口会長、山口仙二氏の被爆体験と二世の活動について話しました。子どもだちと先生方と交流しました。
被団協の国際活動と被爆者の熱い思いに触れ、自分の学習不足を実感しました。そして大学生協連の学生たちの「これが終わりではない。これが始まりだ。」という発言に共感しました。
多くの方々のカンパに支えられ、日本生協連はじめ、現地のボランティアスタッフの方々に協力していただき、感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。
被爆70年募金、ありがとうございました。