2015年7月9日発行の新聞『被団協』381号の内容をご紹介します。

粗末さ曝した自民の「勉強会」
「文化芸術」とは「名」ばかり
低下し始めたか内閣の支持率

6月25日に開催された安倍首相に近いと言われる国会議員による勉強会『文化芸術懇話会』の内容が明らかになった6月27日の各新聞は、一斉に、その内容を報道しましたが、記事を読むと、この『懇話会』は、とうてい国会議員の「勉強会」と言えるものではなかったようです。

自民党推薦の法学者も自民党構想は違憲と発言
この勉強会の21日前(6月4日)には、自民党、民主党、維新の会のそれぞれから選ばれた法律学者3名が、自民党が提起した「戦争のできる国づくり」のための法案(政府の言う『安全保障関連法案』)についての意見を表明したのですが、3名は3名とも、この法案の構想は「日本国憲法
に違反する」と指摘したのでした。特にこの中の自民党推薦の憲法学者の「違憲」表明には、某閣僚経験者も「後ろからミサイルを撃ち込まれた」と言ったという程の大きな衝撃を政権与党に与えたようですが、12日には山崎拓自民党元副総裁ら重鎮も記者会見で違憲論を支持する立場を鮮明にした、と報道されています。(6月24日・長崎新聞)

さらけ出した政権党・助言者の知的水準の低さ
こうした経過から見るとこの勉強会『文化芸術懇談会』は、6月4日の3名の法律家の「違憲論」を粉砕し、安倍総理の「戦争のできる国造り」構想を前進させるためのものだったはずなのに、助言者役ともいえる百田尚樹氏自身が「沖縄の二つの新聞社は絶対につぶさなあかん」などと話した(6月27日・朝日新聞ほか)と伝えられており、ここで明らかになったのは、政権党と助言者双方の知的水準の低さであり、日本国憲法についての認識のお粗末さをさらけ出したといえるでしょう。

国会運営の迷走、内閣支持率の低下は必至
さらに、9月には自民党の総裁選挙も控えており、無投票再選へ向かって磐石な体制を築きつつあるように見える首相ですが、死角がないわけはなく、国会運営の迷走が内閣支持率の低下につながるのは必至、と6月24日の長崎新聞は見ています。
事実、幾つかの新聞社などが実施した世論調査では、内閣支持率は、概ね20%台へと転落したのでした。
ことし6月18日に開催した長崎被災協の定例評議員会も、核兵器の廃絶を目指すとともに安倍総理の「戦争のできる国づくり」に反対することを今年の運動方針に掲げたのでした。皆で力を合わせ、私たちの憲法を守り、発展させようではありませんか。  (事務局長・山田拓民)日付長
崎新聞)。

自民党勉強会での主な発言

百田尚樹
沖縄の2つの新聞はつぶさないといけないことだが、沖縄のどこかの島が中国に取られれば目を覚ますはずだ。出席議員
マスコミをこらしめるには広告収入をなくせばいい。文化人が経団連に働きかけてほしい。

井上貴博衆議院議員
青年会議所の理事長のときにマスコミをたたいてみた。日本全体でやらないといけないことだが、広告料収入、テレビの提供スポンサーにならないことが一番こたえるということが一番こたえることが分かった。

別の出席議員
(沖縄のメディアは)左翼勢力に完全に乗っ取られている。
長崎新聞(2015年6月27日)より転載


多彩な内容盛り込んで
被団協第1回代表理事会ひらく

新年度の新しいメンバーによる日本被団協の代表理事会は、7月1日の午後1時から東京のプラザ神明の集会室で開かれ、当面の日本被団協の課題について討議しました。この会議に長崎からは山田事務局が出席しました。
会議は、これまでに亡くなった被爆者への黙祷から始まり、第1日目には、まず日本被団協の規約、組織、代表理事会・専門部会、各種委員会の概要、代表理事会と代表理事の役割などを報告、ついで、藤森事務局次長が、自民党・公明党がすすめている「戦争のできる法律作り」(自民・公明党が言う安全保障関連法案)について報告しました。
また、広島での開催を予定している「被爆70周年記念集会」についても、現在事務局で作成している構想を基に、意見を交流しました。さらに秋(10月17日)に予定している集会「被爆70年 広島・長崎は何であったか 今を戦前にしないために」 のつどいについても概要を了承し、2日正午閉会しました


定例第67回評議員会開催

6月18日、評議員会では2014年度事業の報告、決算、2015年度の事業計画、予算を審議し、議決しました。
また理事の辞任、選任、評議員の辞任、選任を決めました。被災協の新しい理事は小松タヅ
ヱ(諌早)、辞任は清水多喜男 (諌早)です。
新任評議員は大久保重之(諌早)辞任は三輪博志(深堀)、小松タヅヱ(諌早)です。
被爆70年のあたる年であることを念頭に置き、核兵器廃絶、国家補償の援護法制定、原爆症認定制度の抜本的改善をめざし、集団的自衛権、安保法制に反対し、戦争できる国づくりを進める安倍政権に断固反対していくことを決めました。
被爆70年記念集会を開催し、70年記念誌を発行します。12月5日、6日の九州ブロック相談事業講習会は長崎で開催されます。
組織の強化をはかり、被爆二世の会と結びつきを強め、さらに継承に取り組みます。

被爆者の生活相談、一人暮らしの相談などに応じます。


被爆70周年集会に向けて

山里小学校の学童クラブの5、6年生と平和の取り組みを二世の会が3月から月1回行っ
ています。
6月13日、池田早苗理事を講師に浦上川の緑地帯で被爆当時のようすを聞きました。水を求めて多くの人々が亡くなったこと、そのあと白い骨がしばらくの間、山積みになっていたことなど現地で聞き、悲惨な状況を想像することができました。
そして被災協と二世の会の花壇のところで、「平和な世の中だから花が育てられる」という池田さんの少年時代からの思いを聞きました。

被爆70年記念集会
とき: 8月1日(土) 13時30分~16時
ところ: 長崎資料館ホール
記念講演: 中山高光氏(熊本県被団協顧問)
パネルディスカッション: 二世、三世、高校生、大学生、市民
うた: 南山小学校コーラス部・山里ゴスペルの会・千原哲平(三世)
ご家族やお知り合い、お誘いあわせておいでください。

「原爆・継承・平和コンサート」
被災協・被爆二世の会・諌早

6月28日、「長崎被災協・被爆二世の会・諌早」は諌早市アーケードで被爆体験や平和の継承を考える「原爆・継承コンサート」を行いました。
コンサートには5組が参加し演奏しました。
故永井博士の娘、筒井茅乃さん著の「娘よ、ここが長崎です」や被爆体験を朗読し、多くの人が足を止めました。
朗読を聞いた学校関係者から8月9日の平和授業に来てほしいとの依頼があり、中学校で行うことが決まりました。


事務局日誌

5/1 メーデー
5/2 NPT再検討会議帰崎(谷口・田中・柿田)
5/12 新聞発送
5/13 知事へ被爆行政要請5団体(山田・森内)
編集委員会

5/16 平和宣言起草委員会(谷口・佐藤)
5/17 二世の会会議の後 浦上川緑地帯で花植え
5/18 諫早被災協総会(谷口・山田)
5/20 事務局会議

5/21 被団協小委員会(横山)
5/22 代表理事会(山田)

5/23 山里小学校学童クラブとの平和の取り組み
NPT会見(谷口・田中・    柿田)
5/25 事務局会議
5/26 いきいき理事会(柿田)
5/29 70年集会実行委員会
6/2 中国領事館30年祝賀会

6/3 編集委員会
6/5 事務局会議
6/8 被団協代表理事会(谷口・山田)~11日
6/9 被団協総会、中央行動(田中、横山、柿田)~11日
6/12 新聞発送
6/13 山里小学校学童クラブとの平和の取り組み
平和宣言起草委員会(谷    口・佐藤)

6/15 70年集会実行委員会
会計監査
編集員会

6/18 第67回評議員会
ノーモアヒバクシャ訴訟口頭弁論(長崎地裁)
6/24 被爆5団体市議会要請(山田)

6/26 事務職会議

6/27 全国民医連シンポ 講演(山田)
いきいきコープ総代会(柿田)
6/29 九ブロ代表者会議(山田・横山・柿田)
6/30 70周年集会実行委員会